リツエアクベバ

satomies’s diary

27回目

猫が死んで27回目の水曜日。実に久しぶりに水曜日のネコを飲む。

昨日、野良の黒猫が遊びに来た。もうこの辺りですっかり野良猫など見なくなった。だからこの黒猫もとっくにいなくなったものと思っていた。

真っ黒で小さな子猫のときから時々来た。うちの猫がよく唸って追いかけて追い出した。黒猫同士がサッシを隔てて向かい合い、うちの猫がうぉーぉとうなる動画はわたしと息子の電話の中に入ってる。

真っ黒で、四角い顔で絶妙にブサイクで、小柄でデブで鍵シッポ。
久しぶりに現れたのでうれしくなって、ウッドデッキに続くサッシをそうっとあけた。
それからプラの容器に試供品で余ったパウチのフードをのせた。

鍵シッポ黒猫は、そうっと入ってフードの匂いを嗅いだ。それからフードには見向きもせず、部屋を見渡した。うちの猫を探しているみたいだった。

それからゆっくりと出て行った。いや、食べ切ってくれよとフードを出したがいらないと言った。お腹は別にすいてねーよと。ほんとにアンタ、会いにきたんですか。死んじゃったのよ、ごめんね。

鍵シッポ黒猫はしばらくウッドデッキに猫座りして。それから庭に消えていき、生垣のあいだから出て行った。
死んじゃったのよ、ごめんね。
でも会いに来てくれてありがとう。