リツエアクベバ

satomies’s diary

最終形態

昨日、猫の夢を見た。
夢を見たのは水曜の深夜だから、6週間前の死んでいく頃の時間帯か。

気づいたら足下に猫がいた。
よく似た黒猫とか、他猫の空似とかじゃない。まちがいなくうちの猫だった。
オムツをしていた。

「ぷったん!どうしたの!」

わたしは猫にそう言ってから、振り返った。この子がここにいるということは、骨は骨はどうしたんだ?骨は?

骨壷が忽然と消えていた。猫のお気に入りだった椅子に骨壷と花と写真と線香立てと。そのスペース自体が無い。骨壷が無い。

無い、無い、骨壷が無い。骨がいない。
骨は、骨は、骨はどこに行ったんだ?
探す。めちゃめちゃ探す。無い。

「その辺にあるんじゃない?」と、母が言う。場所設定がむちゃくちゃになってる。

無い、無い、骨壷が無い。骨がいない。
いないよーーーーー。

と、ここで目が覚めた。
あのさ。と、自分に思う。せっかく夢に出てきてるんだから、その、猫本体をおかまいしない夢、なんなんだ?と。
なに、骨探し回ってんだ。

たぶんさ。と、自分が答える。
手のひらより少し大きいくらいのサイズだった子猫が、美しい美人の黒猫になって、老いた猫になり、ばさばさの毛質になって、オムツして介護されて死んだ。
まー、いろいろな見かけに変化していった。
いつでも「今」が、わたしにとっちゃ、あの猫そのものだった。

だからさ。と、自分が自分に続ける。
わたしにとってはあの猫は、最終形態が「骨」なんだ。今、あの猫は「骨」としてうちにいる。
だからわたしは、ひょっこり帰ってきたちゃんと姿がある猫をほったらかして、とにかく必死に「骨」を探してた。

次に夢に見る時は、早めに夢と気がついてしまいたいな。
せっかく出てきたのに、ほんとたいしたおかまいもしませんで。ごめんね。