リツエアクベバ

satomies’s diary

楽しかった

昨日は某大学のオープンキャンパスへ。この夏オープンキャンパスには息子と二人で何度か足を運んだけれど、昨日は単独参加。息子が非常に興味を示している息子にとっての難関大学で、この日も意欲的に準備をしていたのだけれど。部活で練習試合があると。公式試合の一週間前であると。部活を休める状況ではないと。しかし昨日以外のこの大学のオープンキャンパスの日は部活の合宿中であったし。ふむ、ではかーちゃん単独で行ってくるわ。そこで資料もらって来年効率的に参加する材料にしたらよろし、と。
最寄り駅に着いたのはかなり早めの時刻だったにも関わらず、駅ではひっきりなしにアナウンスが響いてた。今日は◯◯大学のオープンキャンパスがありますよ、帰りはすごく混むよ、帰りの切符を買っておいてくださいな、という内容。
会場に着き、職員や学生の方々のスタッフに案内され資料を手に。大学資料、学部資料、入試データ資料、保護者向け資料など。入り口でもらったオープンキャンパス実施パンフを見ながら学部ガイダンス実施会場を確かめ、エレベーターへ。
学部ガイダンス会場と大学ガイダンス会場は、開始時刻が同じだけれど会場の階が違った。学部ガイダンスの会場は4階、大学ガイダンスは6階。4階で降りたら、エレベーター内にいたヨソのかーちゃんもわたしに続いて降りようとした。その時にエレベーター内に低い男の子の声が響いた。「ママ!」。ママははっとして戻る。彼らは大学ガイダンスに行ったんだろ。
わたし自身も「かーちゃん息子ペアでオープンキャンパス参加者」ではあるが。あるけれど。なんかこう、あの状況で「ママ!」は無いよな、と思った。居合わせた女の子はげんなり最大モードだと思う。人んちの呼称なんぞなんでもいいけど、せめて肩をたたくとか、階数を言うとか、なんかこう、あったんじゃない?とか思う。いやきっと、一緒に行動する時点で我らは仲間なんだろう。ううむ、いろいろ考えさせられた。あの低い声の「ママ!」はいろんな意味でヤバかった。
学部ガイダンス、入試ガイダンス、保護者ガイダンスと、会場を移動しながら3種のガイダンスに参加。キャンパス内を行き交う学生が率いる「学科探索ツアー」の群れなど見ながら、学食へ移動。腹減ったので昼食に。
学食はかなり混んでた。ランチを載せたトレイを持って一名席空いてるテーブルを探す。にいちゃんねえちゃん達の中に一名空いてるとこよりあそこがいいやというテーブルに向かう。家族連れ参加なんだな、という人たちのテーブル。オープンキャンパスで時々見かける「下の子連れ」の方のご一行。そのお子さんの正面があいてた。「すみません、ここ、いいですか?」と声をかけると、女の子の隣のママらしき人と、そのママの正面のおばあちゃまらしき方が顔をあげ、「どうぞどうぞ」とおっしゃってくださったので座って飯を食い始めた。
ママとおばあちゃんが談笑。なにげにふと正面を見ると。おや…。こんなところで…、とびっくり。ふうむ…。声をかけようかなあ、どうしようかなあ、スルーでもいいけどこんな偶然ももったいないなあと、冷やし担々麺をすすりながら数分葛藤した。結果、ここまでの偶然もなかなか無いからGOと判断。「あのう」「わたし今日は下の子関連で参加してるんですけれど」「上の子とお嬢さん、『お仲間』です」。
突然話しかけられてママとおばあちゃまは驚かれたけれど。『お仲間』の意味をすぐに理解され「まあ!」と。それからすっかり『お仲間』会話で楽しい時間を過ごさせていただきました。お嬢さんは6年生。お兄ちゃんが私立中学の三年生でどこかの大学のオープンキャンパスに行くのが夏休みの宿題だそうだ。家族総出でパパの出身大学にいらしたとのこと。パパとお兄ちゃんが精力的に学内を回ってらして、女性陣で昼食取りながら休憩だったそうだ。「もう中3の男の子なんだけれど、家族総出で外出とかまだまだ当たり前だと思っていて、それは少し心配で」とおっしゃってて。いやー、世間的に見れば確かにそれはそうなんだけど、うちなんざ中3なんてファミリー体質真っ只中でしたよ、高校生になってやっと「らしく」なってきたかなという感もあるくらいな感じですよとかなんとか。ふわふわダウン症児女の子きょうだいだと、そんな感じになるのかもですね。どうなんだろとかなんとか。
「おいくつですか」「もうすぐ二十歳になるんですよ」。言いながら笑みが止まらん。目の前にいる女の子を見ながら、お嬢さんかわいいわ、あのねうちの子うちの子もね、かわいいの、わたし大好きなのモード。携帯から写真を出して見せ合いっこになった。
ママやおばあちゃまとお話ししながら、目の前にいるかわいらしいお嬢ちゃんにも話しかける。かわいいなあ。仕草や表情がもうたまらん。にこにこニヤニヤとこちらの頬は緩みっぱなし。こんなしあわせは告知の時には知らんかった。経験して始めてわかることの1つだと思う。
楽しかった。学校の話になった。少し遠方からいらしていて、地域事情などを聞く。中学を地域で行くか特別支援学校を選ぶか悩みどころとのこと。当時の選択基準をいくつかピックアップしてお伝えする。
学食も混んでるしね、それではと切り上げて席を立つ。本当に楽しかった、楽しい時間をありがとうございました。お嬢ちゃんに手を振ってさようなら。
売店で学校の名前の入った文具を購入し、帰宅。娘の顔を見て、まあなんてかわいいんだろうと改めて思う。他者にとっては単なるダウン症顔のダウン症の子でしかないのだけれど、これは当事者にしかわからんことだろうと思う。うちの娘は世界一。