「監察医 朝顔」が、いよいよ次回が最終回になった。
時任三郎がいい。役どころもいいし、彼のストーリーもせつない。暖かい台詞まわしもいい。
時任三郎は、20代の時に間近で見たことがある。小さな劇場の舞台に客として来ていて目立っていた。「あの人はもうすぐ『ヘアー』でデビューするらしい」と、その時知人が言ってた。大きくて、快活に笑っていてかっこよかった。
わたしも年をとったが、時任三郎も年をとった。毎週毎週顔を見ていて。口元や顎あたりの皮膚がたるたるしている。それがとても魅力的に見える。夫が同じようにたるたるしていて、同じだなあと思う。時任三郎と夫は同い年で誕生日も近い。
今日、義妹と話していて。彼女とはよく「監察医 朝顔」の話をする。
時任三郎の役のアルツハイマーがせつないね、という話をしていて、わたしが言う。夫と時任三郎は同い年だ。時任三郎の口元や顎あたりの皮膚がたるたるしていて同じ感じがするんだ。と、話す。
義妹には言わなかったが。わたしは。この、たるたるとした年をとった感じに、とても色気を感じるんだ。そんなふうに思うようになるとは、数年前くらいでもわからなかった。そんなこと、ちょっと恥ずかしくて言えないし。
そうしたら義妹が言う。「時任三郎と兄は、似てる」。
(いや。似てねーし)(あんなかっこよくねーし)と思う。突然、なんか、義妹に「妹」を感じてたじたじする。
夫に言う。あなたの妹さんがあなたを「時任三郎に似てる」と言ったので、びっくりしてなんか不自然に相槌うってしまったぜ。
夫が笑う。笑ってるとこ見て、(あ。なんか似てるのかも)と思った。笑顔が優しい。