リツエアクベバ

satomies’s diary

交通事故

交通事故、見た。目の前で。
ずっと前の交差点が赤信号で続く車の列。カーブしている道、交差点の信号は見えず、その状態で(赤だな)って思う感じのところ。その車の列の、車間がちょっと空いているところをその隙間を後ろから走ってきたバイクが左から右に斜めにすり抜けようとした。交差点で右折したくて前に出ようとしたのか、そのあたりはよくわからない。ものすごい音をたてながら、バイクが車の右後方部にひっかかるような形で接触した。バイクは右を下に横に倒れた。運転していた人間はバイクといっしょに道路に横倒しになった。動かない。
車の窓が開いて、運転席にいた女性が強い調子で叫んだ「なんでぶつかってくるのよ!」。いや、わかるけど。でも、バイク、起きてねーし。無事かどうか、わかんねーし。
「ちぃちゃん、ちょっとここにいてね」。車が来ないのを確認しながらガードレールを乗り越える。バイクのところに行く。「だいじょうぶですか?」。
バイクと一緒に横倒しになっていた人は、そこでわたしに顔を向けて、呆然とした顔で起き上がった。あら、まだ子どもだわ、この子。16か17かってとこだ、18って言うには幼い。呆然としているこの男の子の顔を見ながら、ふと、亡くなった姑の言い方を思い出す。「ひまわりみたいな頭」。真っ黄色。
起き上がった男の子が無事に立てているのを確認して、道路に飛び散ったバイクのかけらを拾う。運転席から女性が降りてくる「ケガ、無いですか?」。言ったまま、この方も呆然と立ちつくす。
えっと、警察に電話しようとか言った方がいいのかなあ、とか思う。思ってたら、男性が二名駆け寄ってきた。作業着みたいな制服を着たオトナの人。
男の人が来てくれたので、「バイク、寄せましょうか」と言う。男の子と男性二人でバイクを道路から端に寄せる。まあずいぶん壊れたね、このバイク。つーか、あちこちボコボコだ。こういうこと、しょっちゅうやってたのかな。そういやこの子、ヘルメットかぶってないや。
消防署の人が来るってことを聞く。オトナの男性二人が来てくれたから、もういいかな。ちぃちゃん待ってるしね。「では、あとはよろしくお願いします」とオトナの男性二人に言う。それからもう一度、男の子に聞く、「体、だいじょうぶ?」。呆然とした顔で、まっすぐうなづくのを見てさようなら。
またガードレールを乗り越えて、娘のところへ。そばにいた実習先の利用者さんが、「バイクの人が悪い?」と聞いてくる。
「うん、悪いですね、バイクの人の方が。ただ、車は鉄の箱の中に人がいるからあのくらいなら車が傷つくだけだけれど、バイクは体をそのまま出して走ってるから。危ないですよね」と答える。
振り返ると、車の運転者とバイクの男の子が、並んで車の損傷箇所を見てた。右後方部のバンパーの端っこがめくれあがってた。この程度でもすごい音がするもんだな、とか思った。
あのひまわり頭の男の子、呆然とした顔が素直そうな感じで、オトナの男の人二人も気遣ってあげてました。もう無茶な運転しなくなるのかな。つか、保険とかなんとか、なんかやたらに大変そうだな、とか思った。なんかそういうこと、てんでちゃんとしてない感じが漂ってたから。大変そうだな、とか思いながら。あの子も娘と同じくらいの年齢なんだな、とかも思った。