リツエアクベバ

satomies’s diary

ストーカー被害と警察

■ちょっと思った〜共謀罪とストーカー殺人 /ジャコの日記
こういった事件が起きると「警察に相談に行ったが手を打ってくれなかった」という風なことをよく聞く。警察は“こと”が起きなければ動けないらしい。恐怖を感じたり犯人グループが共謀したりしても警察は何も出来ない。ただ小言を言う位。

 ストーカー防止法なんてのができても、まだこんな状態なのか、と思う。
 はい〜〜、また「過去」話ですが。
 時は’80年代後半、ストーカー防止法なんて無かった頃、起きたこと。結婚して子どもがいない頃、26歳だったかの頃。夕刻、仕事を終えて部屋に帰ると、カギをあけて中に入ったタイミングで電話が鳴る。無言電話。夫の帰宅は遅い。これが毎日毎日続く。まるで「おかえり」と言われるように電話の音が鳴り響く。
 ある日、その電話が話し始める。着替えているところを写真に撮ったと言う。部屋は二階。南側には公園。マズい、カーテンちゃんと閉めずに着替えてたかな、と思う。「ああ、すみません、これから気をつけます」と思わず答える。
 このリアクションに相手、驚く。いわゆる「脅し」が通用しなかったという意外というリアクション。だって、悪いけど、わたしは恥ずかしくない。着替えているところの盗撮に、自分が自分の意志を持って協力して金銭の譲受があるわけじゃない。恥ずかしい行動をしているのは相手。そしてそれができるスキがオマエにあるんだ、ということなんだから、「気をつけよう」と。
 相手、しつこい。周囲にばらまくと言う。勝手にしてよ、と思う。黄ばんだパンツや破れたブラジャーをしてるわけじゃない。盗撮に協力してるわけじゃない。盗撮という恥ずかしい行動と、それを知りつつ喜んでそんな写真を眺める輩に、わたしはつきあえない。
 ネガが欲しくないのか、オマエのことは何でも知っている、と相手が言う。「は〜い、ちょっと考える」と、元気に答えて電話を切る。
 即110番。全く相手にされませんでした。しつこく食い下がる。いいから管轄の警察に回してくれ、と。で、管轄の警察に電話が回りました。
 ここでも全く相手にされませんでした。しつこく食い下がる。話というものができる状態になるまでに、2人くらい相手が変わったかな。「事件性が無ければ警察は動けない」「警察はアンタのボディガードじゃない」と言われました。「相手はわたしを呼び出すと言っている。わたしのことを調べていると言っている」と言うと、「あなたが相手に会って、そこに事件性がある事実が起きなければ警察の出る幕じゃない」と言われました。「では、わたしがそこで例えば刺されるなり、殺されるなりしたら、動いてくださるということですか」と聞くと、「そういうことだ」と断言されました。
 あなたの上の方に代わってください、と言う。声が少し年輩の人間に変わる。チャンスだ、と思う。一言一言ゆっくりと、必ず相手に伝わるように言う、「例えばあなたのお嬢さん、例えばあなたの妹さん、あなたは同じことを言いますか?」
 一呼吸あってから「警官を二人行かせます」との返事。やった!「申し訳ないけれど、相手はわたしを常に『見てる』と言っていますので、警察が動いているということが目につく形でいらしていただきたいです。」
 パトカー、来ました。頼み込んで一分ほどサイレン鳴らしてもらいました。目立つ部分の窓から、制服姿の警官が外からよく見えるように、身を乗り出させて周囲をうかがってもらいました。
 警察から受けた注意は二つ。ドアチェーンをかける習慣をつけること、郵便ポストにカギを設置すること。当時、電話料金の通知のハガキは、電話番号が丸見えでした。所在と電話番号がわかっているということは、ポストをのぞきに来ている可能性が充分にあるということで。
 別にたいしたことをしてくれ、というわけじゃない。機を逃さずに、警察の姿を見せてくれればそれだけでかなり効果は高い。わたしはこの盗撮の主と二度と出会うことなく、またこの日から「おかえりなさい」の無言電話もぴたりと無くなりました。次の作戦も考えてあったんだけどね、それは使わず仕舞いで終えることができました。
 次の作戦とは、管轄の交番の警官に「○○です、こんにちは〜」とむやみに愛想よく名前を売り、管轄の交番の警官の名前を全て覚えること。「名前で呼び合う姿」をどこぞから見ている相手に見せること。
 それから長い年月が過ぎた。子どもを行かせている小学校で、「子ども110番」の活動に関して、警察の方からの説明がありました。「どんなことでも110番をしてください。すぐにサイレンを鳴らしてパトカーを急行させます。即時に警察が動く姿を相手に見せること、サイレンでその存在を主張すること、これが抑止効果になりますから」
 だろ?と思った。そうだろ?そうだよな、と思った。やっとこういう言葉が警察から聞ける時代になったんだなあ、と思った。
 でも、報道見ると、そうともいえない事件が多くて、悲しいな、と思う。