リツエアクベバ

satomies’s diary

母のお友達

朝の七時過ぎに電話が鳴った。090番号だったので業者ではなく知り合いかと思った。こんな朝早くに何事かと思った。

年配の女性が名前を名乗り、あなたのお母さんの友達だと言う。あなたのお母さんと今日、出かける約束をしている。
電話をかけたのだが、どうも自分の電話番号は拒否されている。それではと携帯から携帯に電話をかけようかと思っていたのだが、こちらも自分の電話番号は拒否されているようで通じない。

「母は携帯電話をもっていません」

でも、お母さんの携帯の番号をもらっているというので、その番号はたぶんもう解約したものだと伝える。

拒否が拒否がと叫ぶのだが、母は特定の電話番号を拒否する機能は使えないし。相手の言うこともよくわからない。そして、早朝で忙しいんだけどな。
でも、とにかく詐欺とかではなく、要は婆さんの友達の婆さんということはわかった。
「母に連絡して、こちらからかけ直しますね」と言って電話を切る。

母に電話をする。「今日、○○さんと出かけるの?」。

ほんの少し遠出なものだから、母が瞬間、緊張する。いや、そういうことじゃない。
「なんか連絡が取れないからとかで、こっちに電話かかってきたから、かけ直してくれる?携帯電話の番号なんだけど」

そう言うと、母はその人の携帯電話の番号はわからないと言う。では書き留めてねと、番号を言う「090の」ここまではいい。
「5」「え?ゼロ?」
いや、耳は遠くなったのだが。数字には意味も文脈も無い。ただ音が正確に聞こえるかどうかだけが重要で。090のあとの8文字の最初からえらく時間がかかる。

「いや、だめだ。電話を切ったら電話番号をメールで入れる。それを見て電話してくれ」

母は携帯電話を持たないが、iPadを使う。メールに切り替えられるのはありがたい。
とにかくやっと解決したらしい。

その後、母からメール。「ゴミ捨てに行って、そのまま植木に水をやっていた。その間に電話がかかっていたらしい」。
何回かかけて、相手が電話に出ないからと言ってすぐ拒否設定と思うのもすごいかなとは思うが。わたしもきっといつかそんな年寄りになるんだろう。

なんでも、共通の友人が少しボケてきていて。ちゃんと会話ができて会えるのも今のうちかもしれないと。そうやって、二人で会いにいくことになっていたのだが。
当日の朝、確認に電話をしたかったらしい。

わたしは「友人の娘」として、あまり親切な声の応対をできなかったなと。今頃になって反省をしてる。
いやしかし、朝の7時10分に突然わーわー言われても。状況を飲み込むのに精一杯だし、わけがわからなかったし。だなあ。