リツエアクベバ

satomies’s diary

おととしの3月に。ああ、もう春だなと思った。白いスニーカー欲しいなと思った。出先で立ち寄ったしまむらで、白い靴を買った。白くてラインがピンクで、履きやすかった。

4月に入院する時に、その白い靴を履いていった。ネーザルハイフローが設置されて、ベッドから動いてはいけないことになり。数日の間、靴は足元の置物になった。

ネーザルハイフローがはずれて、立ち上がって歩いてみることになった。よろけるだろうとのことで、看護師さんがふたりついた。

ベッドから足を出して、靴を履いて。看護師さんが「ちゃんと踵を入れて」って言った。
2wayの靴で、踵を踏んでつっかけられるタイプで。わたしは踵を踏んで履こうとしていた。

看護師さんが「ちゃんと踵を入れて」って言って、指を入れてきちんと履いた。
そして立って、歩き出して、よろけて両脇から支えられた。ああ、ほんとによろけるんだと思った。

とかいうことを。春だなと思って靴を買いたいな、と思っただけで。怒涛のようにその時のことが溢れ出してくる。

その靴。汚れるとしまむら行って同じものを買うリピーターになってる。
この間、友達にその靴の話をしたくて、ネットで調べたら。ナースシューズだった。
あのときの看護師さん、この靴を知っていたのかな。

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