娘がよく知る「仲間」が、コロナに感染した。娘がそのことを知った。娘が動揺した。
「しんぱい」
ああ、と思った。この子にとってコロナとは、去年の四月のわたしたちなんだなと思った。従来株、アルファ、デルタ、オミクロン。そうやって進んできた感覚は、この子には難しかったのかもしれない。そして、特にそんな説明もしてこなかった。
わたしは娘にゆっくりと説明する。
「だいじょうぶ。
怖くない。
お友達は病院にお泊まりはしない。
おうちにいられる。
おかあさんみたいには、ならない。
お友達も、ちぃちゃんも、おかあさんも。
だいじょうぶ。
怖いことにはならない。
すぐに、よくなる。
だいじょうぶ。」
それから、オミクロンという言葉を繰り返した。「オミクロンは怖くない」。
なんか安心したらしい。オミクロン、かかるかもだし、このあたりで認識の整理ができてよかったかもなあと思った。