リツエアクベバ

satomies’s diary

六日目

舅の点滴、六日目。延命のための一週間の点滴は明日、終わる。ここまできたかと思う。

昨日、ザワザワするので夜、ブツブツと夜中に何度も目が覚めた。

朝になり、気になるので夫に実家に行ってと言った。時計を見たら9時半だった。帰ってきたので「どう?」と聞くと、モゴモゴ言って聞こえない。こちらも向かずになんかモゴモゴ言う。「聞こえない」モゴモゴ「聞こえない!」モゴモゴ「聞こえない‼︎‼︎」。

夢だった。夢と違う寝巻きの夫がそばにいた。8時だった。夢を見たと言いながら、「行って」と言う。看護師さんが8時過ぎに来るはずだった。夫が行き、少しして帰ってきた。落ち着いているとのこと。速攻、わたしは舅と義妹に会いにいく。昨日のザワザワが気のせいだったかと安心する。義妹が昼まで少し眠りたいと言う。

うちの向かいの、舅の妹の息子のおうち。それと、小田原に住む姑の妹。この二軒は知らせなきゃいけない家で、まだ何も知らせていなかった。「今日は落ち着いているなら、今日がチャンスだ」と夫に言う。夫が義妹に了解をとり、二軒に連絡する。姑の妹は、わかった、と。お邪魔するのは遠慮するとのこと。それから向かいの家に、夫が知らせに行く。

しばらくして向かいの家の夫の従兄がうちのチャイムを鳴らし、わたしが出て外で話す。「後でいこうと思うんだけど」と言うので、義妹を少し眠らせたいので午後でお願いしますと答える。「よくなったと思っていた」と言うので、ずっとよかったのだと答える。「コロナがなければ行ったのに」と言うので、みんなそうだそうなんだと答える。

午後も落ち着いていた。ああ、こうして連休が終わる。明日で点滴も終える。これから看取りの日々が始まるのだねと夫と話す。今日くらいしかしばらくビールを飲めないかもね、と早めの夕食にビールを飲む。

夜になり7時過ぎだったか、義妹から電話がくる。熱が出た、呼吸が苦しくなった、医者を呼んだ。夫がすぐ実家に行く。

まんじりともせず、ずっと待つ。夫が帰ってきて、ろくに話も聞かずわたしは実家に飛んでいく。呼吸が激しくなっていて、手を動かして苦しそうにする。医師が、皮下点滴を追加しようと準備してきたが、もう効果はないと言ったそうだ。長くはない、ということはわかった。ただ、それがいつになるかは誰にもわからない。

義妹が夫に、きょうだいに連絡してくれと頼んだそうで。わたしがいる間に九州の義妹2から電話が入る。今日は落ち着いているからと、夕方LINEしたのだそうだ。

舅は胸が苦しいらしく、左の胸をさする。左の胸をさすると少し和らぐようで、さする腕をつかんでいっしょに動かしてくる。そうかそうなのかとさすり続ける。義妹は今夜はずっとそばで見守るのだろうと思って、わたしがいる間にお風呂に入っておいでと言う。ではシャワーだけ、と義妹が浴室に行く。わたしは舅の胸をさすり続ける。

では行くね、と義妹に言う。玄関の鍵をしめて、裏口のチェーンはかけないで。何かあったら裏口から来るから。合鍵は持っている。今夜は何が起きるのか起きないのか。なんとなく義妹にハイタッチをして玄関を出る。のが8時頃か。

あとは明日。
今、夜中の12時を回った。
22時に舅、逝去。わたしは今、祭壇におくお団子を作ってこれから届ける。