リツエアクベバ

satomies’s diary

合否発表

紹介を受けて、ダウン症の赤ちゃんのママから電話。合否発表に出かけた息子の連絡を待つ間に、赤ちゃんのママとお話。赤ちゃんのママから聞く、赤ちゃんが生まれるまでの話、生まれてからの話。ダウン症という言葉を引っ付けて生まれてくる子どもとして、ものすごく受け入れのいい流れを生み出す運命というものを感じる話。
携帯が鳴る、息子の携帯からの電話と表示される画面を見る。電波がつながる。雑音の中「ゴメン」と息子。「ごめんね」と答えるわたし。アンタはよく頑張った、わたしの負けだ。
人間の持っている運命の流れというものは、きっとそれなりの意味がある。赤ちゃんのママから今日聞いた話はそれを改めて感じる話だった。息子が今日受け入れなければならなかった運命も、きっとそうなんだろう。今日の試練を意味のあるものにするために、息子はまた日々を歩むだろう。
しかし悔しい、わたしが立てた事前対策の戦略にどこかわたしの甘さがあったのか。わたしは負けた。現実は厳しい。不合格と書かれた紙の入った封筒には、後期入試の志願のための書類が一式入っていた。ふむ、こういうことか。
二人で沈黙の時間を過ごす。さて、と、立ち上がり、日常の家事を始める。
「さあ、後期の紙を書いちゃって。わたしは私立の受験料の払い込みに行ってくる。その時いっしょにそっちの受験料も払って来ちゃうから。明日は雪が積もってるかもしれない。今日中にやっちゃわなきゃいけないことはたくさんあるんだ」。
息子が立ち上がる。ねえ。前期受けなきゃ良かったと思ってる?
いや、と、首を振る。「後期は絶対勝ってやる」。
この一言に正直驚いた。そうだった、この子が前期入試に必要な自己PR書に自分の長所として書いたのは「最後まであきらめない」っていう言葉だった。
「スイッチ切り替える時間の早さも勝負かもね」と言うと、しゃきしゃきと動き出した。真面目に驚いた。この子って、すごい。