リツエアクベバ

satomies’s diary

例の事件と過去の記憶と

酔って公園に寄って、なんだか騒いで逮捕された人がいたそうだ。深夜一人で騒いでそれでもって全裸だったとえらいニュースになっていた。
わけわからん大虎は、保護されて、警察に一晩泊ってお灸をすえられて、ってのが「その線」の流れってことなんだと今まで思ってた。容疑者として逮捕する背景は、(こりゃ薬が出るぞ薬)ってことなのかなとは思ったが、それも結局は野次馬の感想か。
なんか気の毒だなあと思った。酔って、自宅に戻らずに公園でワンマンショーを孤独にやってたこと。全裸サービス付きの孤独ゲリラワンマンショー。まっすぐ帰りたくなかったのか、脱ぎたかったのか。まあ前者なんだろうとは思うけれど、後者の方が他人には大きかったということか。
ふと思い出して、ある個人名をGoogleに入れてみる。20代のときにびっくりさせられた人。わたしとというか、わたしの関心とはさっぱり縁が無い人なので特に経歴も何もうっすらとしか知らなかったけれど、当時も「なんか知ってる人は知ってる有名な人」ってことだったので、それから20年程度たった現在でも、きっと名前は出てくるだろうと思ったから。
Googleは、そこから出てくる情報にウィキペディアを出してきた。ウィキペディアに人名でその人物が登録されてた。そこにリンクとしてはられていたその方のサイトに飛んでみた。
笑った、いやマジで大笑いした。その方のサイトの表紙には、渡辺和博氏が書かれたその方のイラストが貼ってあったから。桜の絵を背景に、ズボンからまあソレというかなんというかを露出していて「出して悪いか」と書いてあった。説明書きのように付け加えられた一文が「花見でチンチンを出す場合は、何食わぬ顔をして出しましょう」と書いてあった。
わたしが20代のときにこの方にびっくりさせられたシーンとは。友人のやっていた小さな飲み屋で起きたこと。わたしより一回りちょっと年上の仲が良かった人がやってるお店。わたしはその友人に用があり、ひとりでその店にいた。その友人の友達が集まる店であり、やってくる人は百パーまあ常連でひとりで立ち寄りやすかったこともある。
カウンター席の端に座って。カウンターの中にいる友人とちょこちょこ話しながら、ちょこっと飲んでて。カウンター席は7〜8名でいっぱいの店。わたしとひとつおいて隣に座った、なんだか大人な方と挨拶なんぞかわした。「こんにちは」「ああ、どうも」。その、なんだか大人な方はお連れの方となんだか小難しい話を熱心にされてた。当時30代後半くらいだったと思う。
そのうち、その店の奥でなんだか騒ぎが始まった。10人ちょっとが入れるスペースにいたお客さんたちから奇声があがって。わたしは(何事か?)と、その、なんだか大人な方の肩越しに眺めると。スーツを着ていた数人の集団が次々と全裸になって、ぴょんぴょんと飛び跳ねてた。よく知ってるわたしよりいくつか程度年下の男の子のケツが見えた。あはは、何やってんだ。
わたしのところからひとつおいて隣にいたそのなんだか大人な方は、お連れの方と顔を見合わせて、ひどく真面目な顔をして、ものすごく真面目なことを言うような感じで言った、「では、行きますか」。で、なんでもないことのように奥に行って、そして参加。脱いだ服をきちんとたたんで。その言い方と、その言葉の後の行動とのギャップにわたしはひどく驚いて、それでやたらに笑ったんだ。
で、まあ、わたしは場に合わない立場になったので帰ったんですが。それから20年くらいたってる現在、その最初にわたしの目に飛び込んだケツの持ち主は日本の出版業界の著名人になっているし、スエイさんもサイトから見るにまだまだ脱いでいるらしい。草なぎクンは彼らの目にどう映ったんだろう。どんなことを感想として言っているんだろう。その方々との接点であった友人はすでに故人で、今のわたしには聞く機会も無く、ちょっと残念。不可能なことだけれど、あの方々を草なぎクンに紹介してあげられるものなら紹介してあげたいような気も。きっと孤独なワンマンショーではなく、場を選んでできただろうになあとか、そんな感じ。