熊本県にある多機能型指定障害福祉サービス事業所の職員でいらっしゃる天竺堂さんから、梅田伊津子さんにお話をうかがっていただきました。天竺堂さん、サンクス!
コメント欄から引用。
梅田さんは、娘さんにシートベルトをさせ、さらに上から押さえておられたそうです。娘さんはベルトを嫌がって声を発したりすることがありますが、これまでのフライトでは、梅田さんが離着陸時に押さえていることで問題はなかったとのこと。
ところが、某日の搭乗では、男性の客室乗務員が、娘さんを静かにさせるよう言ってきて、梅田さんが従わない(従えない)と見るや、空港警察署から警官を呼び、母娘を降ろさせたそうです。降りる時、梅田さんは乗客と乗務員に「離陸を遅らせ、迷惑をかけてすまなかった」と頭を下げられたそうです。
梅田さんはたいそう憤っておられ、周りの人々に話しておられ、このことが回り回って誤解を生んでしまったものと思われます。
私個人の見解としては…悪いのは、客室乗務員と記者。
客室乗務員の立場で、梅田母娘を降ろすなど(ましてや警官を使って降ろすなど)もってのほか。むしろ、乗客へ理解を求める配慮を示すべきだったでしょう。泣き叫ぶのが幼児だったらオッケーで、障害者はダメ…というのであれば、明らかな差別です。
あと、記者については、粗略な記事によって、読者の誤解を招いたうえ、取材対象の梅田さんに迷惑となる波紋を呼んでしまった責任がありますよね。「しっかり締めずに」という箇所を、「締めていない」と読み取られる可能性は、確かにあります。
梅田さんにとって、ご自分が「障害者の娘が嫌がるので、シートベルト非着用での搭乗にこだわった自己中心的な母親」などと、決め付けられるのは、不本意であるはず。実名も出ていることですし、おつらいでしょう。
比較ポイント
- シートベルト
- 「私が上から抑えていたので問題はないと思うのですが、しっかり締めずに声を出していたこともあってか『シートベルトをしていない人を乗せることはできない』と、降ろされました。」(毎日の記者の報告)
- 「梅田さんは、娘さんにシートベルトをさせ、さらに上から押さえておられたそうです。娘さんはベルトを嫌がって声を発したりすることがありますが、これまでのフライトでは、梅田さんが離着陸時に押さえていることで問題はなかったとのこと。」(天竺堂さんの報告)
- 降ろされた理由と降ろされた状況
- 「シートベルトをしていない人を乗せることはできない」と、降ろされました。」(毎日の記者の報告)
- 「男性の客室乗務員が、娘さんを静かにさせるよう言ってきて、梅田さんが従わない(従えない)と見るや、空港警察署から警官を呼び、母娘を降ろさせたそうです。」(天竺堂さんの報告)
「理解されなかったのは何か、理解されたかったのは何か」
理解されたい、しかし理解されることが難しい「現実」。この現実の前で、この「一例」での考察のポイントをどこにもってくるのか。そこに毎日の記者の報告と天竺堂さんの報告とでは、雲泥の差があると思います。
また、梅田さんのお嬢さんの「声」が、警官を呼んで降ろさせるほど「危険なもの」だったのか。飛行機の運航に危険をきたすほどのものだったのか。ポイントはここでしょう。
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柔らかNEWS 『娘がシートベルト付けるのを嫌がるので締めずにいたら飛行機を降ろされた。日本は知的障害への理解が足りない』…毎日新聞
「娘がシートベルトを嫌がるので付けずにいたら飛行機から降ろされた。日本は知的障害への理解が足りない」…障害者支援施設長/明日は明日の風が吹く
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