リツエアクベバ

satomies’s diary

土曜、日曜、インフルエンザ

 土曜に朝から出かけた息子、子ども会の行事参加。早起きして元気に出かけたのだけれど、午後早めに帰宅して体温計をもってきてぐったり。
 数字を見る、39℃を越えていく。あららこの急激な発熱はもうインフルエンザでしょう医者行くよ医者。土曜午後もやっている、というか祭日以外は休み無しの行きつけの内科に行く、インフルエンザB型の診断。
 処方されたのはタミフルではなくリレンザ。提携する薬局と今年はリレンザでいこうということになったこと、B型はタミフルの効きが悪いこと、昨今のタミフル報道の中、抗インフルエンザ薬を使うことに対しての批判が出ていること。など簡単に説明され、「治療方針はどうなさいますか?」と聞かれる。
 今までに3度、この子はインフルエンザに罹患していて、その度にタミフルを処方されたこと。この子に関しては今まで特に問題のある作用は出ていないこと。うちの子は二人とも今年卒業でこれから卒業式を含めた卒業行事が乱立していることがあり、家族への感染の危険を考えたらウィルスの繁殖を早めに抑えることができるのなら抑えたいと思っていること。これまでの受診の中で先生を信頼しているので、先生がリレンザを選択するのなら信頼してお任せしたいこと、など答える。
 診察待ち、検査の結果待ち、会計待ちなど、ちょこちょこと待ち時間がある。待ち時間の中、冷えないように自分のでかめのマフラーを彼にかけてやりながら、でかくなってきた息子を半抱きにして寝かせる。寝かせながら待合室にあった「子育てハッピーアドバイス」を読破。立ち読みで主要なとこはあらかた読んでいたが、まともに全部読む、ふむふむ。イラストや漫画を駆使したわかりやすい表現法などにもふむふむ。
 いっしょに来ていた夫にこの本おもしろいよと渡し、自分は二巻目に突入。夫も一巻目の主要なところをあらかた読む。
 ねえ。と夫に言う。この本に書いてあるようなことはたいがいはわたしはやったと思う。でもここに書いてあるようなことってのは、自分が大切であるととらえていくベースになるもので、どういう人間になるようなことっていうのは書いていない。子どもは子どもで、親の望む個性にはならない、ってことを肯定することは大事なことで、でもそれはけっこう親の感情面に影響していくよねえ、などと言う。自己肯定を子どもに渡すことの難しさってのは、その部分のようにも思うんだと。それと10歳までは甘えさせてと書いてあるが、この子は12歳だ。小学校を卒業間近でこうやって母親に半抱きって状態での安心ってのは、もうまずいんだろうか。きつい状態でいる息子を半抱きにしているわたしの安心感ってものもあるんじゃなかろか、などと話す。この子はこの子なりに自然に離れていっているし、無理することもないんじゃないか、などと夫が答える。そう答えてから夫は余暇支援事業に参加している娘を迎えに行く。夫に連れられて戻った娘がびょうき?と聞くのでびょうきと答える。娘がそうっと弟をなでる。
 self-esteem は自分が自分を肯定するベースになるもので、どうなるこうなるってものでもなくて、どうなるこうなるってのは本人がもっていくものだと思う。今まではこうすればこう育つ的な育児ハウツー本ってのの方がわかりやすく売れやすいものだったのかもしれないとも思う。その中でこの本が売れるのは、生きにくいという心の問題のようなものを見つめる時期に来ているのかもしれない、とも思う。
 どんな学校に行くか成績はいいか悪いか。そんな話が母親同士で出る中で、時々なんとなく誰もがつくため息。集団の中で無事にいられるんだろうか、働く時期になって普通に働いていけるんだろうかとか。見通せたようなものが見通せなくなってきたような不安みたいなものがあるんだと思う。
 土曜の夕食は少量、就寝時39度台から下がらず。日曜の朝は少し恢復。38度台ではあるが、朝食は完食。「行ってもいいよ」と言われて後は夫に頼み、1月に亡くなった赤ちゃんのお別れの集会に出かける。
 教会、記念礼拝との名称で愛らしい写真と花で飾られた祭壇。そっと置かれた小さな骨壺。お話とお祈りと賛美歌。一年ちょっとの命の意味と神様のお話、こういう喪の作業もあるのだとも思う。この赤ちゃんを慈しんだ方のお話で、神様のことを話しながら「それでも淋しくてならない」という言葉が涙を誘う。そうだよね、命の意味を思いつつも逝ってしまうのを見送るのはつらい。つらいからこその喪の作業なのだと思う。讃美歌21-575番「球根の中には」が心に残る。形を変えて心の中に生き続ける命の始まり。
 礼拝堂を出るときに赤ちゃんのママと対面。思わず手を取り合う、言葉は出ない。初めてお電話をいただいた日を思い出す。
 記念礼拝後お茶の会。紙コップに入れたお茶と手づくりの焼き菓子をいただきながら、ご家族のお話とご家族の歌う賛美歌を聴く。
 ハーゲンダッツのアイスを買って帰宅。アイスを食いながらいただいた写真を眺める息子。「この赤ちゃんが亡くなったの?」そうだよ「心臓が悪かったの?」そうだよ。質問はそこで終わる、それ以上は聞かずしばし無言の息子。多分、たったひとつのたからもののドラマの映像なんぞ、思い出しているのかもしれないとも思う。
 夜には37度まで下がる、熱が下がれば生意気度は上がる、この子はもう12歳だ。月曜火曜は欠席の連絡なんぞを済ませ、まあ熱も高かったから二日はゆっくり休みなさいと言う。明日からまた、日常が始まる。