リツエアクベバ

satomies’s diary

金融業の例のニュースで、ちょこっと思い出したこと

 ニュースに出てきた企業ではないのだけれど、まあ、名前聞けば聞いたことのある会社から「取りたて」の人が来たことあるんですよ、ウチ。結婚して二年目だったかそこらの時に。住んでたところは東京都世田谷区。仕事から帰ってきて夕食の支度をばたばたとしている時刻。
 静岡の支店から来たって言ってたその人、住民票持ってウチに来た。その借りた人の名字がわたしの旧姓で、男性名だった。しかも当時わたしが住んでた場所の住所の住民票を持って。
 え〜〜〜〜〜、って感じ、心当たり全く無し。その共通点ってヤツから、「名前騙られるような存在の人物はいないか」と聞かれたのだけれど、わかんないよ、さっぱりって感じで。父親は借金作らなきゃならない経済じゃないし、男の兄弟もいないよって。男の人にそんなことされるような恨み買った思えも無いんだけどなって。金額は確か50万だったと思う。
 そうしたら、丁寧に、「役所に行って確認して、存在しない人間の住民票の抹消した方がいいよ」って、そのやり方を教えてくれました。コイツ他に同様の借金作るかもしれないよ、って。狭い集合住宅の玄関先で話してて、携帯も無い時代だったので、電話貸してあげて。公衆電話を使うからいいよって言われたんだけど、なんか気の毒でね。「いいよ、いいよ、使っていいから」「静岡なんだけどいいかな」「そんなこと、もう気にしないでよ」って。それでその電話でなんだかんだと自分の職場の上司と話して。そしてどうしようもないため息を何度かついて、出してあげたお茶飲んで、できたてのオカズのつまみ食いして帰って行かれました、静岡まで。
 モノ買ったらお金払うよね、サービス買ったらお金払うよね。その基本的なことができない人を相手にする商売ってことなんだよね、この業界はさ、って言ってた。大変なんだな、と思った。
 送り出すときに、何をってわけではないけれど、なんとなく「だいじょうぶ?」って聞くと、「なんとかやってくさ」って言ってた。
 数日後、役所に行って、教えられた通りのことを言って、当の人物の住民票は抹消してもらいました。その後、その人物も取り立ての人にも縁は無し、その会社の広告を見るとなんとなく思い出しますね、その会社の人の疲れたため息ってのと、苦笑いしながら、「じゃあ」って帰っていった姿をね。