リツエアクベバ

satomies’s diary

存在する壁に対しての解決法と気持ちの持ち方

 引用した漫画のあらすじの中で出てくる「校長先生」の考え方。まあ、これが大半の姿勢だろうし、テーマを前面に出していくのにふさわしい「世間」だと思う。
 数年前、娘が小学生だったときの、娘が通った小学校での、ある日の朝礼の校長の話を思い出す。 

 居住地交流という制度で、盲学校に通う一年生を、月一のペースで、わたしたちの小学校に迎えることになった。ここでみなさんに再度考えて欲しいこと、約束して欲しいことがある。それは「廊下を走らない」ということ。
 「廊下を走らない」ということは、事故を防ぐということ。走らなければ起きない事故がある、ということ。そのことをもう一度考えて欲しい。そして「廊下を走らない」という約束を守って欲しい。その約束を守ることは、この盲学校から居住地交流という制度を使って、学区の小学校に参加する安全を守るということにつながることも考えて欲しい。
 この子が来るときだけ、ということではなく、「廊下を走らない」ということで守れる安全を、みんなでもう一度、考えましょう。

 いい校長、でしたね。学校事務職員を経て、学校というものを中から見て「教師になろう」と決断されて、働きながら学ばれた、とか。入学時の学校説明会でも、一般の保護者に対して「この学校は障害児学級がある学校です」と、学校説明の一つとして話された。水泳指導で、人員の手があればもっと豊かに指導できると、自ら水着になって障害児学級の生徒を抱きかかえてプールに入るのが日常だった。学校行事の中で、その反省会の会議で、必ず障害児学級についてふれた話を出していたと、担任に聞いたなあと思う。教育の場に対しての安心感、信頼感を持たせてくれた校長だった。
 娘が参加する交流級で、男子児童に対して担任の体罰があり、問題になったことがあった。その説明釈明となる集まりでの、校長の態度や話に関して、「テレビで見る『校長』とは違ってかっこよかった」と後で告げると、照れた笑いを浮かべながら体罰に対しての考え方、管理職としてのあり方、なんぞを話してくださった。
 引用した漫画、この校長だったら、絶対別の展開になったと思う。少なくとも「言い渡して孤独に追い込む」ようなことにだけはならなかったと思う。
 5年ほど前にすでに定年、お元気かな。