リツエアクベバ

satomies’s diary

ダサいのがお好き

日曜の夜、電話が鳴る。中高完全一貫教育の私学の女子校で中一のときに同じクラスだったはるか昔の同級生。二年ほど前に学年の同窓会をやって、そのときに活躍していた彼女なんだけど。今度は7月にクラブの同窓会をやるんだとかその電話。
その二年ほど前の同窓会と、その年に続けて企画されたクラブの同窓会。実はわたしはその誘いを二つともパスってるわけで。
理由はめんどくさかったから。せっかくの付属エスカレーターには進まなかったわたしは、6年でこの集団からは離れている。8年組や10年組とはちょっと意識が違うかもしれない。30年も昔の、最近特に話をしたわけでもない人間関係と、まあ懐かしいなんだかんだとそういう時間のために、土日の夜のファミリータイムを使いたくなかったというか、そんなとこで。そんなワタクシを今度こそ担ぎ出そうと、まあそんな説得のような電話。
「ねえ。わたしさ。ランボー観に行きたいんだ」と、唐突に言う。「ら、ら、ランボー?」と電話の相手がその唐突さに驚く。
忙しいだのめんどくさいだのと相手の誘いをかわしながら、唐突に「ランボー観に行きたいんだ」と。「時間作るのが大変そうなんだけど、でも絶対行くんだ」「没頭したいからね、ひとりで行くんだよ」と。
「そ、そ、そういうの好きだったんだっけ?」と。ロッキーは高校時代に始まったけれど、ランボーはその後。スタローンわお、ってのはこの学校を出てからだから、まあ知らないわな、と答える。
たださ。あの頃からわたしはダサいのがお好き。スマートなアイドルには全く興味を示さなかったよね、とふると、「確かに」と返ってくる。
スタローンが出てくると、シュワルツェネッガーはどうなのか、と、聞かれることは多い。いやゴメン、わたしにとっちゃスタローンとシュワちゃんはぜんぜん、ぜっんぜん違うんだ。
で、まあこの時もお決まりのようにシュワルツェネッガーについて聞かれるんだけど、相手にとっちゃ全く興味が無いのが見えるので早々に切り上げ。
同窓会に誘ってるのに思い出話にもその思い出話の登場人物の話にもたいして興味を示さずに、「ランボー観に行くんだ!」とか言ってるわたしは身勝手だな、とか思う。こっちの興味につき合わせた結果になったのが申し訳なかったので、話を「思い出」の方に戻して、しばし過去の話なんぞを交わし。日程が近くなったらまた誘うからと言われて、へいへいと電話を切る。
ダサいのが好き。泥臭いのが好き。垢抜けないのが好き。そんなスマートとはとても言えない線の中で、泥臭く進んでいる人間が好きなのか、と思う。
ランボーを観た帰り、バンプのDVDとランボーのサントラを買う。レジに持っていきながら、バンプランボーの取り合わせは相当変だと思う。でもまあ、好きだからなあ、そんなもんだとも思う。