リツエアクベバ

satomies’s diary

バリバリのイカ天フリーク:その3

三宅裕司のいかすバンド天国 - Wikipedia
だが番組当初にはメジャーデビューへの道という話は全くなく、グランドキングになれば48チャンネルのスタジオを借り切って録音ができ、番組でPVを制作してもらえるというだけであった(その後、番組の人気とともにスケールアップしていく)。したがって出場バンドの中にはベンチャーズグループサウンズのカバーあるいはプログレッシブ・ロックを演奏するバンドも少なくなく、かつて存在した同様の番組『勝ち抜きエレキ合戦』に出場経験のある中年男性バンドという古強者も登場し、そういうものも含めた学園祭的なにぎやかさも番組制作のねらいの一つであったという

 「いい加減」と「深夜に大騒ぎ」からの出発だった。イカ天が始まる前にやってた番組を見ていて。その番組をや〜っと思い出した。コレ。

SUPER WEEKEND LIVE 土曜深夜族 - Wikipedia

  • 番組初期のキャッチフレーズは『ふり向けば新しい深夜ライブ』。変わらずお色気番組の路線を続けるオールナイトフジとの区別を明確にするように、この番組では音楽に重きを置くようになり、特に1960年代のポップス、オールディーズをクローズアップするような構成になった(第一回目の放送では童謡も取りあげた)。その60年代ポップスなどを番組中で歌う9人組ヴォーカルグループ、エンジェルスはこの番組からデビューした。また、ゲストのミュージシャンによる生ライヴも充実した構成になっていた。
  • 当時裏番組のオールナイトフジが24:55スタートで、本番組が25分早くスタートしていたのにもかかわらず、相変わらずオールナイトフジの人気がリードしており、本番組の第1部の方は約10か月で終了、この枠の音楽路線は『いかすバンド天国』に引き継がれていく。

 イカ天はこの後番組で。延長線上のような「思いつき」がほぼ発端だったような記憶。だいたいこの「土曜深夜族」という番組。かなり好き勝手な番組で。番組中の土深クイズというのがこれまたとんでもないものだった。問題にするための映像が延々と流れて、その映像から問題が出されるのだけれど、どうやったら回答ができるんだというむちゃくちゃシュールなもので。そういうのも含めて、夜中枠に好き勝手なことをやっているという感じの時間枠だった。
 その「好き勝手」のひとつに音楽があったという感じで、当初「イカバンテン」と番組中で言っていたのが「イカ天」の略称となってひとつのブームになっていくということは、番組をスタートさせた人たちが一番予想していなかったことだったんじゃないかと思う。好きなものをいじくりたおそうとする好き勝手。そこに視聴者参加をもってきた。そんな感じだった。
 音楽を目指す若い子のメジャーデビューへの登竜門。そういうことをもくろんだスタートでなかったからこそ、キャラの強い変なバンドが出てきたわけで。またその自由さがあったからこそ、みうらじゅんが出場者として出てきたりしていたんだろうと思う。なんだかうれしそうに出たがって出てきたという印象が強かったと思う。
 この好き勝手、夜中の大騒ぎ、「イカ天に出ようよ」みたいな雰囲気。そういうバンドはいろいろあって、その中の象徴的な人たちがYouTubeにあがっていて、わ〜いと思う。これはとにかく「見てよ」という感じ。

YouTube - F.C.B.(Fighting Corporation Band) "うっちゃり"

 番組前半期にキャラの強いバンドが次々に現れ、そのことでいろいろなイベントの企画が組まれたりしたけれど。そこに「遊びの範囲」で終わらない力の存在が出てきた。そこに番組の方向性がまた生まれていってしまったと思うんだけれど。でも番組がつまらなくなっていったという流れでもあったと思う。バンド自体はかっこいいのだけれど、こういう感じで番組がつまらなくなっていったのか、というのが↑と↓との比較でみえてくると思う。

YouTube - Little Creatures - My Life As a Dog(寸評付き)

 「好き勝手」の頃には、音楽番組というより深夜バラエティの傾向が強く、それが歯がゆいという向きもあったかもしれない。でも審査員が言う好き勝手の傾向が変わったら、見ていておもしろくなる「普通の人の出演パワー」は、明らかに落ちたと思う。
 イカ天を見ていた時期から年月は流れて。今だからこそわかるあの番組の前半期の価値というものがあるなあと思う。目標として音楽を目指すのではなく、生活の中でわ〜いという感じでバンドやってる人が見たいなあと思う。アンダーテイカーのかっこよさは、今の方がよくわかるなあと思う。

YouTube - アンダーテイカー「ロックミーロックユー」
About This Video アンダーテイカー「ロックミーロックユー」
イカ天でも活躍していたのでご存知の方も多いハードロックバンド「アンダーテイカー」 現在もカッコ良い演奏活動を行っている。メンバー承認でプロモーション映像を公開!

 娘の通う特別支援学校には教職員バンドが存在する。このバンドは地域的には有名なバンドになっていて、地域の福祉イベントでは引っ張りだこ状態になっているのだけれど。
 ボーカルの先生のキャラが強いので、そっちばっかり目だってしまうことは多いのだけれど、ドラムの先生がものすごくかっこいい。見かけはオヤジなんだけど、ドラムたたいてるとこがものすごくかっこいいわけで。以前地域福祉のイベントでの際にこの先生に「わたしはいつもドラムから目が離せない、すごいかっこいい」って言ったらとてもテレていらして。でも「ファンがいてくれるんだ」と言ってらっしゃって。わかる!と思った。
 そういう人がたくさんとは言えなくても、巷では実はいるんじゃないかとも思う。そういう普通の人が「バンドやろうぜ」みたいなとこ、そして「ちょっと出ちゃおうか」みたいなノリがぶわ〜〜っと盛り上がるような舞台。それが消えたことはすごくもったいないんじゃないかとも思う。
 メジャーデビューの登竜門みたいになって、青田買いでそのときだけ儲けた人がいる、ってとこはあるんだと思う。でもそのことで失ったものも大きいんじゃないかとも思う。おもしろかったのにな、あの番組。