弁償さん、と、一部で呼ばれてるらしい「弁償するとき目が光る」の過去記事散策。理由はただひとつ、おもしろいから。
今日の拍手喝采はコレ。
いや〜、ここに出てくる山田詠美文体のお話。ぱちぱちぱち、と手をたたく。引用で出てくる「エセ山田詠美文体ごっこ」の稚拙さは、もう、読むだけで赤面するほど。それに比べて「弁償さん」のお見事さといったらどうだ、となんだか誰かに威張りたくなるほど。(ちなみに「〜といったらどうだ」ってのは、林真理子の「不機嫌な果実」で多用されまくってる表現)
黒人だの性描写だのドラッグだのって、そんなことを書けば山田詠美になるなんて、うそっぱちも甚だしい。だってそうとらえられてしまう作品が数多く存在するのは事実でしょ、なんてことを言われたら、出てくる単語の数だけ拾って結論出すのが「そういうこと」ならそうですね、でもそう判断してしまって、見当ちがいのエセ文体ごっこをもっともらしくすることの方が恥ずかしいことだと思いますよ、なんてことを思った。
しかしねえ、山田詠美を読めば黒人・性描写、なんて簡潔にもっともらしくわかったフリをするってのは、実につまんないことだと思うよ。山田詠美のちょっと前の森瑶子デビューのときに、森瑶子を読めば不倫願望なんて言われたのと、ちょっと似てるなと思う。皮むいて果実を前にして皮の感想を言うようなもんだと思うな。