リツエアクベバ

satomies’s diary

猫の墓

猫が死んだら、火葬後に庭に埋めて。そこに花桃の木を植えることにしていた。

花桃は娘の特別支援学校の卒業の記念樹。その実を育てて苗にしたもの。15センチくらいだった枝が、今は2メートルくらいの木になっている。

花桃の苗木が鉢で育ち、そろそろ地植えにしようかという頃に、猫の命が危うくなった。
あなたが逝ってしまったら、あそこで眠らせよう。そしてそこに花桃を植えよう。

と、思っていたんだけど。花桃の植えつけの時期がきても、わたしは骨を手放せなかった。猫の居場所だった小さな椅子に、白い布のケースに包まれた骨壷がいる。花と写真と。それを見て暮らして、もう3年になる。

ウッドデッキを新しく作り直す。デザインを今までと変えるんだそうだ。柵をやめて庭に向かってひな壇にする。家の中から花桃がよく見えるようになる。

ウッドデッキに置いていた鉢などを庭に下ろし、あちこち片付けて。家の中から花桃を見る。あそこに、あそこに埋めようかな。

そう思って、それを夫に言った。口に出して言ってみたら、泣いてしまった。ほんと、ヤバい。

庭の雑草をむしり、花桃の周りを整理した。花桃の周りに囲いを作ってみた。花桃の隣に薔薇の鉢を置いた。きれいだ。あそこに。あそこに埋めようかな。

とりあえず。外に置く置物をネットで物色する。「庭 置物 黒猫」「ガーデニングオーナメント 黒猫」とかで検索。

わたしはたぶん、これを買う。あそこに置く。でもいつ埋葬できるのか不明。

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