リツエアクベバ

satomies’s diary

実家に行く

 じいさんばあさんがよろよろと居住する実家、母の風邪の治りが悪く、父も調子が悪いというので出向く。家に向かって歩いていると、家の近くの酒屋のダンナが店先から「よう!」と声をかける。腹も出てきた酒屋のダンナは3歳上の幼なじみ。とは言ってもいっしょに遊んでいたのは姉で、泣き虫で運動音痴のチビ助だったわたしは「すぐ泣くから」という理由でなかなか遊んでもらえなかった。鈍くさいチビは、当時フタがあいていたドブによく落ちた。ザリガニを捕りにいったはずなのに、なんでもないとこで足を踏み外してべーべー泣きながら1人で服がべちょべちょなんてこともよくあった。自慢じゃないが、多分わたしは逆上がりと縄跳びの二重飛びはできずに死ぬことになるはずである。ふん、んなものできなくたって人生やっていけるぜ、どうだ。
 そんな「過去」を知る酒屋のダンナだが、何十年もたてば形勢逆転。オヤジ化する酒屋のダンナのしみじみと「相変わらず元気そうだねえ」に、「っばりばりよぉ!」と答える。耳に音楽、ステップ気味の歩行だしね。いやしかし、歩きながらの音楽ってのはやっぱりいいわ。
 母から電話で「よたよたしている」と聞いていたのだが、姑の入院の方が優先で待たせてしまった。婚家だの実家だのという区別ではなく、重症優先。しかしなんでも数日前から元気だそうで、何のために来たのやらという状態。
 その数日前から元気という秘訣は、相変わらずうちのかーちゃん頭ホカホカだぜという、むちゃくちゃおかしいネタなのだが、口外禁止ということでとても残念。口止めされなかった方のネタは、元気になる秘訣その2の方。なんでも毎朝毎晩数回唱えるんだそうだ、朝は「○○ちゃん、今日は元気です」、夜は「○○ちゃん、明日は元気です」。「○○」はもちろん自分の名前、70超えて「ちゃん」だぜ「ちゃん」。「Sも体きついときやってごらん、効くわよ〜〜」と本人頭ホカホカの顔で大真面目。
 年老いた父母のために働こうと思って行ったのに、なぜか昼飯食いながら、頭ホカホカの母と赤ワインをぐびぐびと飲みまくる。困ったモンだ。