リツエアクベバ

satomies’s diary

最後の日産

キューブキュービックの1年点検の日だった。

東京でセレナを買い、横浜に転居して27年。前住地の日産の営業マンに紹介された営業所。メンテナンスに通い、懇意の営業の方もできキューブキュービックを購入。

日産が冬の時代からのおつきあいで、最初はショボい営業所だったが。最近は外車のディーラーのような豪華な営業所になった。

フロントの方は何人も、異動でお別れした。キューブを買った「障害児の親仲間」だった営業さんも、数年前に退職した。

ここ数年、フロントで担当していただく方が長くおつきあいした最後の人になっていた。この方は、整備からフロントに異動になり。メンテナンス後にその日の整備内容を説明するという、整備士の時代からのおつきあいだった。

今日、駐車場に車を停め。迎えてくれたこの方に「わたし、車、買った」と言った。

年末に、「3月あたりでスズキの車を買う。1月の点検時にタイヤの状態を確認してほしい」と伝えていた。何にする?ソリオか、自分は個人的にはソリオは見かけが好きじゃない。ただキューブからの乗り換えは確かにと思う。とかどうのとかは話していた。

「わたし、車、買った」
「ああ、買ったんですね」
これは、今日でお別れします、という挨拶になる。

店の中に入り、現在の担当の営業さんが来た。

  • スズキの販売店に正月に行った
  • ダイハツの件で納車時期に影響があるか、聞きに行った
  • 年度末に買おうと思っていると言ったら、「初売り」の特典や値引きで交渉された

営業さんは、わたしの「日産には欲しい車が無い」という話に「正直、キューブからの乗り換えのお客に営業が難しい」とは言っていた。デイズルークスはどうかと言われたことはあったが、「客の要望が第一」と特に勧められることもなく。また、メンテナンスでの付き合いに丁寧さを欠かすことなく。非常によくしていただいたと思う。

フロントの方と、車以外の今までのおつきあいでのことを話したりしながら。
いろいろな人とここでお会いしたけれど、あなたが最後の担当でよかったと話す。実際、整備の頃からこの人はよかった。どんな質問でも丁寧に説明してくれた。こちらの要望も、よく聞いてくれた。いい人だった。

もろもろ話して、ではお願いしますと店を出る。メンテの間外出をし、終わったら携帯に電話が入るという「いつもの動き」で。
また、引き取りの時に話す気でいたとは思う。

引き取りに行くと、接客に入っていた。初めて会う整備のひとに、今日の整備を説明された。

では、と立ち上がると、フロントの人がカウンターに動いているところだった。
まだ接客の途中なのは、見てわかった。カウンターを通る時に「それでは」「お元気でね」と、軽く別れの挨拶をした。
「接客中で」と、とても困った顔をしたので、「だいじょうぶ」と言って会釈をした。
「何かあったら、いつでも言ってください」と、彼が言った。いや、もうそんなことは起きない。それはもう、わたしたちはわかっていることだ。「だいじょうぶ」も「何かあったら」も、アレだ。「さよならのかわりに」。

車を動かして店を出る。卒業だな、と思った。