リツエアクベバ

satomies’s diary

リフォーム開始

  1. 水道の元栓をしめる
  2. 蛇口を取り外し、水道と給湯の出口を塞ぐ
  3. シンク部分のキッチンセットをはずす
  4. キッチンとリビングの境の壁を切りとる
  5. 損傷部の床をはがす
  6. 床下の損傷部を確認し、根太を交換する
  7. 断熱材の水濡れがひどいところをカットする
  8. 台所のパネルをはがす

今日はここまで。

今日の大工さんは、若い人がくると言っていた。なんというか、若い職人さんというとヤンキーチックなイメージがあるのだが。
今日来た男の子はたとえていうならば。サークルのイベントの下準備、縁の下の力持ち的な作業を黙々とやる感じの男の子だった。

床下が露出した状態になり、素人には珍しい景色なのでながめる。
「なかなか見られない景色だから、見たい」と言ったら、「きれいですよ」と言う。

床下は、どうせふさいでしまって見えなくなるからと。切ったものがあったりと、いらない木片を落としたままの現場もある。ここはそんなことがない。きれいです、と言う。

「ここの建設会社と関わる人は、ていねいな仕事をする人が多いです」

「でもさ」と、わたしが言う。ぱっと見てきれいだと思うということは。あなたがそういう仕事の仕方をするからなんだろうなと思う。人間、自分が気をつけていることにはすぐ気づく。そういうものだと思う。
彼は最初首を振り、それから少しだけ照れて、ありがとうございますと小さく言う。

実際、この男の子は「静かに細かい」感じというか。要は、よく気づく。
わたしは彼の仕事中に、リビングのテーブルで書類の整理をしていた。リビングのスマートスピーカーを、手元のiPhoneで操作してSpotifyで音楽を流していた。
この男の子の携帯が鳴ったので、電話だと思って、わたしは少しだけスマートスピーカーの音量を下げた。あからさまだとなんか聞き耳をたてているみたいでイヤだったので、本当にほんの少しだけ手元のiPhoneで下げた。

彼が「アラームです。だいじょうぶです」と、なにげなくわたしに言った。強すぎもせず弱すぎもせず、大きすぎもせず小さすぎもしない。ほんとうにちょうどいい伝え方を、わたしにした。この子は、賢い。

建設会社の社長さんは、この家を建てたときは父親が社長の二代目だった。わたしたちより少し若く、夫とこの方が、この家を相談しながら作っていた。わたしたちは、話しやすい間柄ではある。
この社長さんが、仕事の終わりぎわに来た時に。大工さんが片付けていて、いないタイミングで「床下がきれいだと言っていた」という話をした。お宅の会社が関わるところの工事は丁寧だって言っていたよ。でも、そういうところに目がいくってことは、あの子自身が丁寧な仕事をするんだろうって思ったよ、と。

そうなんです、と社長が言う。あの子はよく気づく。あの子の師匠がうちと長い。

仕事って、気がつく気がきく、って。力ですよねえ。みたいなことをわたしが言い、社長がマジそれだよな的な顔をして大きくうなづく。