リツエアクベバ

satomies’s diary

百合

父が死んだ時に。姉が、葬儀の花に百合はいらないと言った。百合は香りがきつくて気持ちが悪いと。わたしは特に百合に興味もなかったのでそんなものかと思った。

斎場の花の相談を葬儀屋としている時に、母が百合をたくさん入れてくれと言った。百合は父の好きな花だからと。(ああ、そうなんだ)と思った。そんなことはわたしは知らなかった。姉は百合がどうのとは、もう言わなかった。

百合を見ると、父の好きな花なのかと思うようになった。そんなことはわたしは知らなかった。

昨日、舅の一周忌の祭壇の花の一部を持ち帰った。墓に供え、仏壇に供え、家に持ち帰った。わたしは百合をたくさん持ち帰った。強い百合の香りに、なんだか葬式の匂いみたいだと思った。

今日、朝起きたら気持ちが悪かった。目眩がするような、ムカムカするような感じだった。何も思い当たることはない。ふと、姉の言葉を思い出した。わたしは百合の香りに反応しているのかな。

百合の香りで検索をかける。結局のところ、よくわからない。

百合の花瓶を日中、外に出した。花粉を取り除いた。昨日とは置く場所を変えた。昨日より香りは弱くなった。
欲張って持ち帰った百合の本数が多すぎたのかもね。