息子の中学の子のブログを見つけてしまった。経路は非常に簡単。以前志望校の校名で検索かけてたら前略プロフィールが出てきて、在学生や志望してる子のプロフが出てきたこと。そこ見てて、前略プロフィールで校名出してる子が多いなあと思ったので、試しに中学名でワード検索かけたら知ってる子が数人出てきたこと。そしてそこに自分のブログのリンクを貼っている子がいたこと。
その中の一人の子のブログが非常におもしろくて、1年分をどっさりと読んでしまった。おもしろかった。中三で息子と同じ学年。出身の小学校が違うし、同じクラスになったこともないのでよく知らん子だったけれど、いろんな意味で「ちょっと知られた子」だった。要は、型にはめるのが難しい子、ってことだと思う。そういや授業参観中にこの子が教室を出たり入ったり、隣の教室に入ってきたり、とかってのは聞いたなあと。小学校時代に「この子がいることで学級崩壊がどうとか」ってウワサもちらっと聞いたことがあったけど詳しいことはよく知らない。だからコトの真偽もよく知らない。こうなんですって、まあそうなの?みたいな会話にたいして首突っ込まないからよく知らないってことなんだと思う。
この子側とこの子と対立する側の子とがどーのとかって話もあって、対立する子がなんでも手を出す子だとかどうだとかってことなんだけど、この「手を出す子」だとかなんとかってので名前が出た子が息子と仲良しだってこととか、この「手を出す子」ってとかなんとか言われてた子のことを、わたし自身が大好きだ、ってことくらいだ、わたしに関係してるってことは。だからあとはよく知らない。ただ、名前だけはよく知ってた。ペンネームにするようなオリジナリティのある名前で、漢字の組み合わせがとてもステキな名前で、そしてHNにもブログにもそのままその名前を使ってた。あれ?もしや?と思って読んでいったら、やっぱりドンぴしゃでその子だった。中学の名前もクラスも地元の話も受験後の三年生の行事もわたしが知っている子のニックネームも、それから今週の卒業式の話も出てきた。
自分の言葉を使って、自分の思いをそのままに書きつづられていくブログだった。喜んだり悲しんだり、何かを一生懸命思ったりってのが、いろんな言葉でストレートに入ってきた。
受験に対しての日々についても出てきた。後期選抜で志願した高校に入りたがってたようで、そのために必要な点数を取ろうとしているのがよくわかった。ランクとしては低い方の学校だけれど、多分この子がウワサに出るような生活を送っているのならば内申の数値がかなりヤバい状態だろうと思う。通常、この学校で合格ラインになる点数よりはるかに高い目標点数が必要だろうと思うし、実際その「はるかに高い目標点数」が綴られてた。
この、この子の志望校。校名を出すと「ランクが低い学校でしょ」的視線が出てくる場面には、わたしもよく遭遇した。「あらでもさ、ちょっとすごいのよ、あの学校。あの偏差値でってとこは思うかもしれないけれど、大学の合格実績ってのが、そこらの普通レベルの高校より群を抜いて上行ってるのよ」とかなんとかってのは、わたしはよく言ってた。わたしはこの学校がけっこう好きだ。単位制で選択科目がかなり多岐に渡っていて、意欲さえあればいろんなことができる。型にはめるのが難しくて内申に現れる点数が低い子が自分の行く道を見つけたときに、飛躍できるチャンスを与えられる学校だと思う。別にそれが大学受験でなくてもいいんだけれど、大学受験にも自ずと反映されていってるってことなんじゃないかとも思う。なんてことで、この子のブログにこの学校が志望校として出てきたことにうふふと思った。
後期選抜の当日、学力試験が終わった日の夜の更新分にはドキドキした。得意の数学でミスをしたこと。そのことをくよくよする短文が何度も更新されてた。点を取るべき大事な問題、簡単な計算問題で5点分もミスをしたこと、そのことにくよくよくよくよしてた。頭を抱えてどうしていいかわからなかったんだろう。
このくよくよくよくよの記述があったからこそ、合格を見た日の更新の喜びが実によく伝わってきた。封筒を開いて「合格」の文字を見てもよくわからなかったと。「合格」の文字が合格を意味するのかどうか、よくわからなかったと。試験後の自己採点で「終わった」と思い、でも「奇跡を待とう」とも思い、そして目の前に奇跡があることがすぐにはわからなかったらしい。合格した人間が並ぶ列に入って、その列の中の人がもつ紙をちらっとのぞいて、そしてやっと合格だと自覚したと。ぱちぱちぱちと、手をたたいて喜びたくなるような、そんなその日の日記になってた。
この子は歌を歌う子なんだそうだ。自作の歌詞もそこここに記述されてた。きらきらとしてる15歳がそこにいた。高校入学後もこの子の言葉で綴られていくんだろうと思うと、とても楽しみ。
あと、誰に言うわけでもないけれど言いたいこと。この子のブログには、誰かのことを悪く言う言葉がかけらも無いこと。「ありがとう」って言う言葉がいろんな形でやたらに出てくること。そのことを、この子がどーのって言う人は知っておいた方がいいと思うよ。誰にも言う気は無いけどね。