リツエアクベバ

satomies’s diary

離任式

娘の学校の離任式。副校長として栄転されていく、教務だった先生。PTA本部役員経験者がみんなでお金を出し合って用意したプレゼントをもって渡しに行く。わたしは。その「みんなで」も参加したけれど、個人でも用意していった。
この先生、娘の入学のとき娘の学年の担任の先生だった。そして中学部の学部長だった。娘が入学直後にトラブルに巻き込まれたときに、「その件で今まで会議をしていました」と夜、電話をくれた。解決にがんばってくれた。その翌年からこの先生は現場の担任を離れて教務に移った。役員をやると教務の先生との接点は多い。もろもろの連絡をしながら、きゃらきゃらと大騒ぎをしながら、ちょこちょこといろんな話をした。
今日も離任式の前に職員室で話した。あのね、異動、わかってたんだよ、わかったのわたし。12月に話してて次年度の話になったときに。会長になったら教務の先生とのタッグは必要で。だから動かないよね? 異動しないよね?って聞いた。そのとき動かないよって言った。もちろん上の意向ってのはあるけど。でも異動の希望は出してないから、って答えた。
でもね、3月の終業式の日に、ああって思ったんだ、わたし。
「バレちゃったのか、教師失格だな」って言う。ううん、違うんだ。あのね、頬の片側みたいなとこに堅さがあったんだよね。もう約束できないよって。そんな変な緊張みたいなものが見えたんだ。だから黙って(ああそうか)って思ったんだ。誰にも言わなかったけど、(そうか)って思ってたんだ。
だから先月の新聞発表見たとき、(やっぱり…)って思った。でもね、あのね、先生が副校長をやる学校にはね、ウチの小学校にいらした息子の担任をした、娘のことをすごく気にかけてくれていた先生がいらっしゃるの。元々教師ではなくて療育センターの指導者だったんですって。それから小学校の教員になられて、ウチの小学校で息子の担任をして、今、そこの特別支援学校で勤務してる。
「その先生の名前は?」って聞かれてお教えする。お仕事以外でお話しする時間があるときに伝えてくださいね、息子も娘もわたしも、3人とも元気でいますって。
昨日までみたいな時間、それから今年度の教務の先生のとこに離任式に関しての打ち合わせに行く。「すみません、お待たせしました〜。ちょっとあそこでどっかの学校の変なオジサンと話してました〜」とかなんとか。
離任式終了。この先生を囲んでいた人がいなくなって、学校の廊下の隅で向かい合っていたら、入学からのこの4年間を思い出して胸が詰まった。もう「昨日まで」じゃない。明日に続いていく今日。
この先生の顔はこの学校の思い出のひとつだよな、と思った。娘をこの学校に入れて、もう4年も経ったんだなあって思った。でももうバイバイね。もうこの先生がいる時代はコレでおしまい。
わからない、よくわからないんだけど。ヤバいって思ったときには、もうどばっと涙が出てきた。ありゃ困った。あたふた。それから困っちゃって、もう曖昧に微笑むのみ。
そうしたら。コイツ、こんな気の利いたこと言うんだっけ、こんな気の利いたこと言えるヤツだったっけ、みたいに思っちゃうようなこと言われたよ。
「そのままでいてください。僕は○○さんはそのままでいいんだと思います。そのままで、その○○さんのまんまで会長さんをやってください。」
この先生の言う「そのまま」を、なんだかんだのシーンの中に思い出しながら、わかりました〜、って、思った。ああそうか、約束はできなかったけどがんばれよってことだったのかな。選考委員はがんばってくれたから今年度の本部役員はいいチームになりそうだしね、わたしがんばるよ。どうぞお元気で。