リツエアクベバ

satomies’s diary

幼児とシュレッダー事故と

 幼児のシュレッダー事故。はあ、指突っこんでみたか、なんて思う。幼児ってモンは、とにかく何やらかすかわからんイキモノで、何だって本人の実験材料にして手を出していく。なんでか用意してやるオモチャよりもホンモノに手を出す。
 シュレッダーね。おそらく親が紙を突っこんでいるとこを見てたんだろ。コレはなんだろ、と思ったんだろ。じゃやってみよ、ってときに紙を突っこむのではなくオノレの手を突っこんでみるのはまさに幼児だと思う。
 手を突っこんじまったか、と思う。痛かっただろうと思う。シュレッダーのそばで目を離した、幼児の手の届くところにシュレッダーを置いた、とか。これを親の不注意、ってことは言えると思う。思うけどそれを言うのは胸の奥がずっきんずっきんと痛む。それは幼児を育てていたことがある人間は、誰だって同様の危機のようなものを少しは経験したことがあるだろよ、ってとこがあるから。今日のコイツが明日何をしでかすか、本当に予測できないことっていっぱいあるんだもん、幼児。少なくともわたしは「ああ、あなたの不注意ね」なんてことをとてもじゃないけど言えないなと思う。大惨事は経験してないけれど、ひーとかぎゃーとかっていっぱいあったよな、と思う。まあダウン症の子の方は動作自体がトロトロしてたから、ひー寸前でセーフってのはたくさんあったけどね。う〜ん、多分シュレッダーに指突っこんだ子たちも、「昨日まではシュレッダーになんか興味も示さなかった」ってとこなんだろうと思う。だって変わるんだもん幼児って。昨日はまわしてあけるフタなんてものは、引っぱったりたたいたりして思い通りにならなくてかんしゃく起こしてたようなヤツが、今日はくるくると空けてたりする、ぎゃ〜それは薬だ薬の容器だ、とか、勝手に飲むんじゃない、とかね。

 子どもなんてものは特に三歳くらいまでは、「無傷で生かしておくだけで精一杯」ってのが、かなり現実的なとこだと思う。
常識的な安全と、紙一重のところに存在する危険と

 赤ちゃん系のグッズが売ってるとこなら、たいがい、危険回避グッズなんてのが売ってるわけで。机の角に貼るぶつかってもケガをしないシールだの、冷蔵庫を簡単に開けられなくするカギだの、開き戸を開けなくするカギだの、引き戸を開けなくするカギだの、ビデオデッキにモノを突っこまなくさせるフタだの、ファンヒーターガードだのなんだの。赤ん坊製品ってのは2〜3年でどんどん性能アップしてどんどん増えていくから、最近は多分もっとあるんだろうと思う。電化製品を買うときも、できればチャイルドロックが付いているものを買う、って層は多いと思う。そういや10年ほど前にファンヒーターの買い替えをしたときに、「チャイルドロックがついているものを」と店員に言ったらば、店員胸を張って「今じゃ付いているのは常識です」と言われたなあと。
 家だけじゃない。ガキ共が幼児期ってときに旅行に行ったならば、まず、部屋に入ってチェックが始まる。壊しそうな物を押し入れに避難だとか、ポットにロックがあるか無いかとか。部屋の中の段差がある場所の近くに角のある机は無いか、あったら動かすぞ、とか。それでもくぐり抜けて、なんかあるときはあるんだよね。ほら危ないぞ、とか思った次の瞬間には、ぎゃ〜〜、なんてことは可能性を含めたらもう無限大。
 そういや、先日、海辺の公園でバーベキューをやってたときに、母親がちょっと別の母親と立って話している間に、足もといわゆる死角にいた幼児が道ばたのスイカのかけらを拾い上げて食い始めた、誰かが道ばたに落としていったすでにドロドロのヤツ。赤ん坊抱いてたこの子のママが叫ぶ「ぎゃ〜〜〜、アンタ何食べてんのよ」。スイカ取り上げて、ぺっぺしなさいね、なんて言いつつ、ま、スイカだからね、焼き鳥か肉のかけらとかじゃなくてよかったよかったと。そんな感じ。ぱぱっと自分たちがいる敷地内に食いモンが落ちたままになってないか、目を走らせる。幼児ってのは、ホント、そんなイキモノだ。誰が悪い、なんてことをいちいちどこかに持っていってもキリが無い。
 それでも大惨事、みたいなことになったならば、コレが無かったら、なんてことは考えるだろ。それは責任転嫁というよりも、危機の可能性があるんだってこと、そういうことを他の誰かにも知らせていきたい意志なんてものが根底にあるんじゃないかと思う。
 報道で、この手の事故は実は以前もあったとか、他のメーカーは子どもの事故に関しての危機回避策を取ってるとかなんだとか出てくる。じゃ責任はこのメーカーにあるのか、って言ったらそんなことは無いだろう。業務用は業務用としての環境で使うと予測するのは当然のことだもの。
 このメーカーは要するに、マーケティング戦略と商品規格ってとこで、他のメーカーとの競争に負けただけだ。そうした競争に今日負けても、まだまだ競争は続けなければならない。そういうことなんだと思う。だからこのメーカーは自社製品の責任という受け止め方をしていかなきゃならない流れ。これは倫理ではなく、多分資本主義の問題。