リツエアクベバ

satomies’s diary

お盆

父の墓は新潟にある。
数年前から菩提寺の住職が、「東京とその近郊に住む檀家の家に7月にまわる」ようになった。東京のお盆。

2019年からコロナ理由で途絶えていたのだが、先月半ば頃に「今年は実施」との連絡があった。住職ではなく、跡を継ぐご子息。若い坊さんがくるのだそうだ。
てなことで。13日から16日までの間で、ということだったので、今日来ていただいた。

父の家は隣家が神社と寺で。菩提寺の先代の住職が父より二つ年下の幼馴染みだった。現在の住職がわたしよりいくつか年下で。そして今回いらした若い僧は、うちの息子より二つ年下。

この若い坊さん、地元の方々に聞いた話では。とにかく年寄りに人気なのだそうだ。
僧侶として初めてお会いしたのだが、確かに人気が出るだろうなと思った。絶妙に聞き上手で、絶妙に相槌と相手の話からの質問が上手い。お経の後のお茶タイムに、母が本当に楽しそうに、坊さん相手にいつまでもしゃべっていた。

お経の間、つらつらといろいろ思っていて。最近、統一教会の話がまた出てきている。信仰だの宗教だのよくわからんと言いながら、大半のひとはこうして、盆だの法事だの葬式だのの機会に、よくわからんアカペラの坊さんボーカルを聴きながらもっともらしい顔で数珠をもつ。

これはどういうことかといえば。墓地という陣地をまもるためのお約束とか。
あとは、死んだ人間を見捨てないみたいなことのお約束とか。
なんかそういうことなのかもなと。

今日のにーちゃんも、そのおとうさんも、そのまたおとうさんも。
ここの寺の男のひとたちは、本当に声がいい。祖父の葬儀の時から3代に渡ってその声を聞き続けてきたなあと思う。要はわたしも年をとったという話。