リツエアクベバ

satomies’s diary

「サクリファイス」

読みたいと思いながらそのままになっていた「サクリファイス」をやっと読む。やっと読む、というよりやっと購入?ってとこかな。いや読みたいと思いながら日々が流れて忘れてた。

サクリファイス (新潮文庫)

木曜日、出先でぽかっと時間が空いたのとなんかちょっと食いたかったのと、それとコーヒーが飲みたかった。ああミスドに行こうと思って本屋に行く、抱えていく活字が欲しかった。
欲しいと思っていた新書は見つからなかった。新書の棚を端から端まで眺めたり店内をうろうろしたり。ふと、小説誌のコーナーで目に付いたものを取り上げる。Story Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]なにコレ?なんかすごくないですか?思わず後ろのページを開く。多分なんか「これってこういう風に出してるんだぜ?」みたいなメッセージ性のありそうな編集後記がありそうな気がしたから。あったぜ。速攻でレジ行き。
ミスドで読み始めて、二つ目の小説を読み出したとき。引き込まれながら思わず(ヤバい)と思う。コレ、「サクリファイス」の外伝じゃないか。過去、こうやって偶然に「サクリファイスの外伝」を読んだときに本編読みたいと思ってたのにそのままだった…、と思い知らされる。

赤い小説誌はおもしろかった。いくつもの文章の中で、近藤史恵の「スピードの果て」にやられる。自転車競技の選手が自転車で車道を走っていて。バイクに幅寄せされたりと嫌がらせを受けながら、持ち前のスピードで逃げ切ろうとしたときに。脇道から出てきたワゴン車、自分は危ういところでよけられたけれど、追いかけてきたバイクはワゴンをよけきれず衝突、そして事故死。目の前で起きたこの事故死のシーンが自転車競技中にフラッシュバックを繰り返す。最悪の状態で大事な試合に臨んだとき、その試合中にこのフラッシュバックを乗り越える術を知る。
2009年2月3日更新分

再度本屋へ。その日中に買って帰らなければ気が済まなかった「サクリファイス」。店内の在庫検索の端末をいじって在庫を確認。文庫の棚で平積みになってた。「2008年本屋大賞第二位作品」とキャッチが書かれた紙と一緒に。
一気読み。結末の壮大なスケールというのが胸に迫る。予測のようなものを次々と裏切っていくのはドラマというもののおもしろさではあると思うけれども、こうくるか…、という感じ。そして登場人物ひとりひとりのもつドラマというか心象世界のようなものに感じ入る。こ〜れは、こ〜れは、この登場人物に対して「主役を変えて」外伝作品を書いていきたいだろうなと思うし、実際読みたい。
登場人物で言えば「伊庭が主役」からこの世界に入ったわたしは、次に「赤城主役で赤城から見た石尾」作品を読み、そして本編で「白石主役の世界から伊庭や赤城や石尾を見る」という順番。
しっかしこう外伝がいくつもあって、全部ばらばらに出てるってのはなんかなあと思う。外伝、まだありそうだし。その外伝ってのの存在はどこで調べればいいんだろう…。と、パソコンで検索画面ばたばた。
なるほどね。ここを発信とする情報が一番正確だろうってとこに遭遇。作者本人のブログ。

むくいぬ屋仮宅

ここで調べるに、「サクリファイス」関連は次のものかと。よっしゃ、読んでないものはまだ3つ、ワクワク。

ちなみに「エデン」に関しての作者ご本人のつぶやき。全くですな。と思う、すっかり「サクリファイスシリーズ」の虜。

http://twitter.com/kondofumie/status/14031504295