リツエアクベバ

satomies’s diary

搭乗拒否のニュース関連

まず、ここから

レコードチャイナ - 知的障害の息子を「搭乗拒否」、人気女優が大手航空会社を告発―中国
2008年6月14日、人気女優のワン・ジー(王姫)の知的障害を持つ息子が、中国最大のエアラインで、スターアライアンスに加盟している中国国際航空(CA)の機長から搭乗拒否を受けた件で、障害者支援組織「中国智力残疾人親友協会」が、ワン・ジーの立場を支持する声明を発表した。現代快報が伝えた。
搭乗拒否されたことは、ドラマ撮影現場でワン・ジー自身が明らかにした。治療のため、アメリカから13歳になる息子を中国へ呼び寄せようとしたところ、ロスの空港でCA機の機長から、“安全に影響を及ぼす”として、搭乗を拒否されたという。機内でやや不安定な様子を見せていたため、機長がやむなく指示したものだが、ワン・ジーは「“安全に影響を及ぼす原因”という理由はひどい。人権侵害に当たる」と、CA側の措置を批難している。

何があったんだろ、と。そのちょびっとが出てくるのがこちら。

【今日のブログ】搭乗拒否された知的障害者を巡って 2008/06/30(月) 20:20:00 (中国情報局)
この事件発生当時の見方としては、王姫さん側の主張と航空会社側の主張による2つがある。王姫さんは「緊張した息子が何気なくカーテンに触っただけで搭乗拒否された」と主張しており、航空会社は「王姫さんの息子は極度に興奮しているように見え、機内の秩序と安全飛行に対する潜在的リスクと判断した」と主張している。
部外者の一人としては当時の真相を知る由もないが、私は事件の当事者が女優でなく、一個人であればここまで大事になるものではなかったと思う。だからこそ機長は特別扱いをせずに自分の決定を固持したのだろうし、仮に安全飛行を脅かす可能性がわずかしかなかったとしても、そのわずかによって「万が一」が発生してからでは遅いのである。
事件が発生して以来というものの、中国の各メディアは「差別」、「追い払う」等といった語感の強い見出しとともに当事件を報道してきた。無力な弱者の前に立ちはだかる横柄な航空会社といったイメージが出来上がり、皆が当事者の機長に対する「討伐」を開始した。
確かに航空会社の取った方法は配慮が欠けているように見える。しかし、これはあくまでも業務上の配慮が足りなかったのであって、「障害者を差別」などといった人道的レベルではないと感じている。

機長と母親とに、障害の状態に関する認識の差があると思う。そこでその障害の状態に対してのコミュニケーションがうまくいかなかったことが大きいようにも思う。
「安全」に関して。この男の子を排除することが周囲を守る「安全」というのではなく、この男の子自体の「安全」を考えてこその周囲の安全、ということの判断はあったのかなかったのか、とか。報道は「なかった」かのようなニュアンスを作り出している可能性を感じるところもちょこっと。
ここで思い出すのは2005年のニュース。報道記事のリンク先はすでに消えてしまっているので、個人の方のブログから。

知的障害者1人での搭乗拒否 全日空/きつねのすみか
知的障害者(23)が六月初旬、富山空港から全日空機で東京へ一人で行こうとした際、知的障害者を対象にした手帳「療育手帳」を持っていることを理由に一人での搭乗を断られた。

ダウン症の女性、飛行機の搭乗経験はアリ、付き添い無しの搭乗を全日空に断られ、日本航空で単独搭乗ができたというもの。詳細は↑リンクで。
では、障害がある人の航空機利用自体、どのような状態にあるのか。

障害者の航空機利用の現状と課題/障害保健福祉研究情報システム(DINF)ホームページ
●知的・精神障害者の単独搭乗制限
知的障害者精神障害者が飛行機を利用する時、一人での搭乗はどの航空会社でも認められていません。極端なケースでは医師や看護師の同行を求められたり、障害の状態によっては搭乗を断られるケースもあります。

この「現状」によれば、富山県の知的障害をもつ女性のケースでは、「全日空は『現状』に従い、日航は聞き取り調査により柔軟に対処した」、ということになるんだろう。
で、検索しまくって、ここに行き着く。オーストラリアに行くのに、準備段階でめんどくさいことが出てきたという質問に対しての「ものすごく現実的な」回答。

知的障害者の海外旅行/あなたの夢をかなえる旅行術

結局のとこ思うのは、障害自体が壁になっているというよりも、障害というテーマを中にした、障害をもたない人間同士のコミュニケーションの問題かとも。