リツエアクベバ

satomies’s diary

同窓会

娘の特別支援学校の同窓会に、PTAの会長さんとして出席。
3月に卒業したばかりの、久々に会う子、じゃなくて生徒さん、じゃなくて、同窓生に「どう?」と聞く。テレた様子で、でも誇らしげに「パン!」と答える。パンを作ってるんだそうだ。ソーセージパンの担当なんだそうだ。
受付で渡された紙に自分が座るところが書いてある座席表があって。そのテーブルは22歳の卒業生の女の子と、同じ学年だったというダウン症の女の子とそのお父様と、そして校長とわたし。
一人で来ていた女の子はよく話す。お父様とおしゃべりしていたので仲間に入れてもらう。ダウン症の女の子は言葉少なく、そして校長やわたしが話しかけるとテレてうつむく。
開会。校長先生のご挨拶、それからPTA会長さんのご挨拶。堅苦しい話をしないフレンドリーな校長先生の挨拶の後はやりやすい。「立て板に水」は場の雰囲気に合わない。結婚式の来賓スピーチが大好きなような人はここではお呼びじゃない。
総会議事。昨年度の活動報告と今年度の話。同窓会の会長さんを決めますよ、会長さんは同窓生さんにやっていただきますよ、幹事さんや会計さんは賛助会員(保護者)の方に、というお話。
「会長さんは活動のときにご挨拶をしてもらう人です」と、司会の先生が説明する。と。わたしのテーブルにいた女の子が「アタシ?」と周囲に聞く。「アタシかな、アタシだよね、まいっちゃうよ、まいったな」などと繰り返す。そして司会の先生が「では立候補する方」と言うと、その女の子は直立不動で体じゅう意志いっぱいという感じで手をあげる。「まいったな」の直後に「はいっ!」というコントラストがはっきりし過ぎていて笑ってしまう。笑ってしまうけど、意志いっぱいの姿に拍手しちゃう。
即座に「はいっ!」で決まりかと思ったら。ははは、アクシデント。会長さん立候補二名。会場の向こうでも直立不動で意志いっぱいの男の子出現。会場内に「ジャンケン?」などと小さくざわめき。
司会の先生「今年度は会長さん二名ということでいかがでしょうか?」。場内拍手。先生、さすが。
「では、副会長さんの立候補を」と司会の先生。言い終わるが早いかっていうタイミングで、わたしのテーブルにいたダウン症の女の子が、これまた直立不動で手をあげる。目の前でぱぱっと手を挙げた同級生に刺激を受けたようで。お父様びっくり。いやいやいやいや、と拍手拍手。
「しゃべれもしないのに、マイク握りたいだけなんですよ」と、お父様が苦笑なさる。「いやいやいやいや、それでいいんですよ」と校長先生。「意思表示、自己主張、大事なことですよ」と。
会長さん副会長さん出揃い。それでは、と。会長さんと副会長さんの自己紹介。希望どおり会長さんになった女の子は「○○のうどん屋さん(地域作業所)で、フライヤーをやっています」。
げ。いや、そこ。進路支援専任の先生に見学行けって言われてるとこだ。この女の子が働いてるとこじゃ、ウチのお嬢にゃレベル高すぎないか?とビビる。ま、ま、まあ、見学には行ってこよう。そのときにはこの子にまた会えるかな、と思う。
お茶とお菓子が出る。地域作業所のパウンドケーキとクッキー。パウンドケーキはプレーンのパウンドケーキだったんだけど、食べるとコレがむちゃくちゃ美味い。プレーンって書いてあるし、見かけはプレーンなんだけど、コレがただのプレーンじゃない。しっとり。こくがあって、そしてこの香りはさ、と、ちっこい文字の材料表示を見る。ラム酒が入ってる。美味すぎ。ここの母体は「食」にこだわる。さすがだと思った。アリーちゃんちの近くにここのショップがあるはずなので、今度買ってきて、って頼もうと思った。