リツエアクベバ

satomies’s diary

世界例

 ダウン症の親のグループが無い地域で、そうしたグループを作りたいという意志をもった友人にお手伝い。もう10年近く前のこと。就学前の障害児の発達支援通所施設が無い自治体だったので、ダウン症だけでなく、地域の障害をもつ子どもの親同士の接点が全く無いことから、ダウン症に限定しない「障害をもつ子どもの親のグループ」を作ることになった。
 その定例会が安定して動き出した頃のこと。「Sさん、まいったよ」と彼女。
 なになに、と聞くと、そのグループには、「現在日本で2例」という症候群の子どもの親がいる。この「2例」は、そこのうちの2人の子どもの「2」。ここでまた、発生頻度の低い症候群の親が参加してきた。現在日本で「3例」だったかな。
 その深刻さに周囲がし〜んとしたときに、件の「現在日本で2例」の母が、さらっと言ってのけたそうだ。
 「で、世界例は?」
 現在の日本例が多すぎてよく知らんというのが現状である「ダウン症児の親」であるわたしと彼女はのけぞりまくった。代表としてその場でなんとか平静を保つ努力をした彼女は「ねー、ねー」と共感を求めて叫びまくる。
 …、世界例、か。「障害」の世界はなんとも奧が深い。