リツエアクベバ

satomies’s diary

泣かずに言えました

娘の特別支援学校の高等部の卒業式。PTA会長さんとしての祝辞。構成と表現と内容を考えてから、口に出して練習すると必ずと言っていいくらい涙声になってしまったのだけれど。本番、泣かずに無事に言えました。
会長さんとしてのスピーチの機会はたくさんあったけれど。今回が一番緊張した。ウチの生徒のためのスピーチは、直球ストレートで届くことをいつも念頭に入れてた。そのときそのときに一番必要な「伝えること」。そこ一本に絞り、余計なぐだぐだした挨拶は全部切った。ところが今回は、その「伝えること」が全部自分の胸に響き過ぎてしまう。口に出して練習するたびに、そのことに気づき過ぎてしまった。「ヤバい、わたし泣くよ」といろんな人に言いまくった。
構成は。まず学校の日常を生徒たちに改めてイメージさせるための単語の羅列。これは「単語しかわからんだろう」とレベルを落とすわけじゃない、現代詩の朗読がヒント。次にメッセージを単語から文章に変化させ、単純な言葉で「母校」という概念を伝えること。「新しい明日に向かって、いってらっしゃい」がシメ。
ひとつひとつ、間を取りながら大切に出した単語は25個。5個くらいから生徒たちがふっと集中してくらいついてきた。ねえ聞いて。ボール投げるよ。受け取ってね。キャッチボールが始まったのがわかる。泣いてなんていられねーぜ。
「ヤバい、わたし泣くよ」と騒いでいたときにあははあははと笑っていた先生の一人が、式が終わった後に文句たれた。「ウルウルきちゃって、司会進行がヤバかったよ」。帰るときに高三の先生たちが駆け寄ってありがとうって言ってくれた。そうだよね、その単語ひとつひとつの世界の中に、先生は生きて存在してるんだよね、生徒たちのたくさんのドラマの中に先生たち自身のドラマもたくさんあるんだよね、って改めて思った。学校だものね。特別支援学校だものね。
不満はあるよ。「ヤバい、わたし泣くよ」って言いまくったのに、終わった後に「泣かずに言えたよー」って言っても誰も褒めてくれなかったこと。ふーんだ、泣かずにちゃんと言えたもんねー。
小六のかーちゃんの一人に「アタシたちんときもああいうのやって」って言われた。小中学部の卒業式は来週。ヤバいぜ、まだ何も考えてねーぜ。自分が泣くのをなんとか防げて。って、まだココ。