リツエアクベバ

satomies’s diary

お返し

8月に、つまらん段差で転んで。手や足を派手にすりむいた。こんなどうでもいいところでつまずくのかと、体が老いていくことが切なかった。

そうやってぐずぐずと思いながら、くっそーと思って室内運動に踏み台昇降を加えたのだが。
続いてますよ、もちろん。

なんてことがあったときに、母にぐずぐずとこぼした。体が老いていく、ぐずぐずぐずぐず。
母がすっかーんと言った。
「あらそんなの、つまずいただけよ」

今日、母が。つまらんまちがいを起こした。
90という年齢から、はいはいそうですか、始まりますかと言われかねないところもなくはない。後処理は完璧だったので、心配はないと思う。ただ、本人はこんなことをまちがえた的な気持ちにはなるだろうとは思った。

「おかえしだよ」
「先日、わたしが転んだとぐずぐず言った」
「そのときに母は『つまずいただけよ』とすっかーんと言って。わたしはとても楽になった」
「だから、おかえしだよ」
「そんなの単なる勘違いだから」

つまらん段差で転ぶのも老化だし、勘違いや思い込みが増えるのも老化だろう。
でも、笑ってふきとばして、また明日を生きる。