リツエアクベバ

satomies’s diary

別の猫

猫の遺影としてデジタルフォトフレームを用意して、写真をスライドショーにしてるのだが。

たくさんの写真がゆっくり変わる中で、別の猫の写真が入り込む。
クラウドから「猫」で写真をピックアップして、それをそのまま放り込んで流して、その「別の猫」が入り込んでいることに気づいた。

わたしは「ぴっちゃん」と呼んでいたが家族の誰もがそれを無視して「ちゃいろちゃん」と呼んでた。
「ごはんください」と現れた野良猫。

少しずつ少しずつ近づいてきて、「おなかがすきました」と訴えて訪ねてくるようになった。

「飼うの?」と息子が尋ね、「捕まえるの?」とわたしが聞き、「帰れ!」とうちの猫が叫ぶ。
そんな繰り返しだった。

ある日、怪我をしていた。ケンカの傷のようなものが頭にあって、化膿しているようだった。
捕まえて病院かと思ったけど、捕まえるのが怖かった。生粋の野良だったから引っかかれたり噛まれたりしたら雑菌怖いなと。
どうしようどうしよう、と、おたおたしてた。
そんなこんなな時期を経て姿を見なくなった。死んだのだろうと思う。

人を斜めに見るような頑なそうな野良が、「おなかがすきました」とやわらかい顔になって。
かわいかった。
写真撮っておいてよかった。
助けてあげられなくてごめんなさい。

写真が同じとこ入って、またうちの猫がシャーシャー怒るかもだけど。
キミもどうか安らかに。