リツエアクベバ

satomies’s diary

おもしろかった

視聴率狙いか感動狙いか、と、うがった見方をしていたけれど。松野明美とそのご次男とを取材したテレビ、おもしろかった。比べるのも変だけど、「たったひとつのたからものドラマバージョン」より、わたしは格差でこっちの方が好きだなと思った。まあ比べるモンでもないけれど。
どこをどういう風に切り取って、どんなコメントで構成して、という演出は、どんなドキュメンタリーにも存在するけれど。とにかくできる限り「そのままを見せる」という感をもったのは、松野明美を中心とした取材だからだと思った。
幼児期に「初めて母子が公共の交通機関を使って外に出る」というのは意外。イメージをもつタレントという制約を改めて感じたり。
母子が初めて路面電車に乗るというシーンで、とにかく母親がなんだかんだと子どもに話しかけまくる。そのおおげさ感はそれは取材チームがくっついて「電車に乗っている」からで。本当は完全に母子だけの状態での「外での初めて」の映像の方が貴重だよなあとは思う。それでもぜいたくは言うまいと思うのは、そのおおげさ感の中でも松野明美の心の震えが見えるような映像だったからだとも思う。
生まれてから入院生活の中で。松野明美が日々、子どもにあてた文章で日記を書いていたのは(すごいな)とも思った。二人目のお子さんで、子どもに向ける視点というものをすでに持っているからかなとも思った。わたしは当の子どもに向けて言葉を紡ぐようなそんなことは思いつきもしなかった。医師の説明を書き留めたメモは書いていたように思うけれど、確か途中でやめてしまったと思う。
このお子さんの生まれてからの闘病のための入院は、一年くらいだったようで。ウチの娘の入院は七ヶ月だったけれど、この入院生活の時期、病院で知り合った患児の親同士の人間関係というものは大きかった。その後も大きく影響を与えた時期だとも思う。この「入院仲間」というものは仲間内でもよく聞く話だけれど、この取材で全くそういうことが出てこなかったのは、入院中も「松野明美の次男」ということを表に出したくなかったということがあったのかとも思った。仲間内で「有名人の子と入院仲間だった」という話は聞いたことはあったけれど、外でどんなに有名人であってもそこでは単なる「子どもの病状と現状を前にした仲間同士」みたいなことではあったのだけれど。キャラがはっきりしている中でという松野氏の葛藤という部分もあったのかなとも思った。
松野氏のジョギングシーンもよかった。自分自身を大切にできる時間を確保できるというのは大事なことだと思う。小さい子を持ちながら一時間以上毎日外で走れるというのは、夫や義母の協力もかかせなかっただろうとも。
ご主人は松野氏のマネージメントをされているとか。本人の個性を熟知で本人の仕事を支えるパートナーであること。このことは病児と共にという生活の中でもプラスに作用していたのだろうなとも思った。
子どもの映像はどれもとてもかわいかった。表情がくるくるとよく動く。自分の心の中にある壁を崩壊させていくには充分過ぎる要素だよなあと改めて。
日本ダウン症協会の熊本支部の様子、これが「初めて出向いた松野明美を迎えるシーン」という取材も良かったなあと思った。
録画をしなかったので、正確な表現は忘れてしまったけれど。取材の最後に松野明美が「いっしょにがんばりましょう」みたいな発言をして。それがまっすぐでとても気持ちが良かったので、思わず「ハイ!」と答えました。ウチの方が10年以上も前に始まった生活だけれど、それでもそんな年数の差を超えて、まっすぐ届く話し方だったよなあ、って思った。取材提供にありがとう、という感想。