リツエアクベバ

satomies’s diary

祝!成人/その3


1月15日、横浜市障害者社会参加推進センターと横浜市心身障害児者を守る会連盟の主催、横浜市健康福祉局共催にて「2012年心身障害者の成人を祝う集い」が行われました。

asahi.com:手づくり成人式 障害者170人門出-マイタウン神奈川  2012年01月17日
横浜市に、ボランティアや保護者に支えられて、29年続く手づくりの成人式がある。横浜ラポール港北区)で15日、開かれた心身障害者の成人を祝う集い。会場には振り袖やスーツ姿の約170人の笑顔があふれていた。
中心となって準備を進めてきた市心身障害児者を守る会連盟は、市内で活動する親の会など13団体の連合体。2万人以上が出席する市主催の成人式に参加するのが難しい人のため、保護者も同席できる会を企画し、29回目を迎えた。式典の司会は、昨年成人になった障害者の2人が何度も練習して本番にのぞんだ。着物の着付けも、ボランティアが担った。
記念写真の撮影を担当したのは、藤沢市の元写真店経営松本喜夫さん(71)。ボランティアで撮り続けて20年以上になる。これまでに撮影した新成人は2千人超。「こんな機会はめったにないから」と親が遠慮しても説得し、家族写真も記録してきた。長男に障害があり、先天性四肢障害児父母の会で活動してきた。知人から「混雑時期なのか、写真館では、障害者の成人写真はなかなか撮ってもらえない」という悩みを聞き、撮影をかって出た。
助手を務めるのは妻の澄子さん(71)。毎回長蛇の列ができるため、息を合わせて撮影を進める。澄子さんは何度も駆け寄ってネクタイの曲がりを直し、立ち位置を助言する。「よい笑顔だなあ」「美人だなあ」。松本さんも少しでもよい表情を撮ろうと、何度も声をかけ、雰囲気をなごませた。
松本さんは「撮れるまでに時間もかかるが、家族にとっては一生に一度の思い出。体が動く限り続けていきたい。汗をかいて今回も1キロやせました」と話していた(佐藤善一)

会場では↑で取材をされている松本喜夫さんが次々に希望者に撮影をしてくださっていました。本人の撮影に加え、どうぞどうぞと家族写真も撮ってくださっていました。ロビーや施設のあちこちにスーツ姿の男の子や振袖やドレス姿の女の子がいて、同窓会のように友達と写真を撮ったりしていました。娘もお友達と写真を撮ったり、それから友達の友達といった直接は知らなかった人からも「男の子ばかりの写真じゃ淋しいから一緒に写真撮らせて」と言われて呼ばれたりもしていました。
第一部の式典の開始時刻が近づき、ホールへ移動。通常300席のホール内で前部に車椅子席をかなり用意し、170余名の新成人に原則一名の付き添い者で場内はいっぱいに。次々と臨時席が用意されていきました。式次第の「成人者紹介」では、この日出席の新成人の名前が一人一人読み上げられていきました。自分の名前のところでにこにこする人、大きく返事をする人、手をあげる人などがいました。手元の資料を見ながら「次にちぃちゃんが呼ばれるよ」と。そしてマイクで自分の名前が呼ばれて娘はとてもうれしそうでした。
来賓の方の祝辞、祝電紹介、記念品贈呈、成人代表の挨拶と式次第は進み、「記念写真撮影」。新成人全員が集合し、全体で記念撮影。場内の指揮のもと、ゆっくりと移動、来賓の方を中心に200人近くでの大記念撮影になりました。↑の朝日新聞に掲載された写真はこの時の記念撮影の写真ではなく、移動中の状況の写真。(なんで記念撮影写真じゃないんだろ…)と不思議に思いましたが、もしかしてとても小さいサイズでも本人確認できないような写真にしようという判断なのかな…)と思いました。
あとこの記念撮影で思ったこと。写真ちっちゃくてわかんないんだけれど、この大記念撮影写真、中央のかなりいい位置にどやどやと来賓がずらり並ぶんですよね。来賓の方々の存在がありがたいのはわかるけれど、別にこの人たち全員この大記念撮影写真に写ることもなかろ、しかもこんな中央をかなりの人数で占めることはなかろ、とは思いました。特に横浜市に関しては市長、市議、市職員と市だけで15名も写真に入らなくてもいいんじゃないかなあとは思った。誰の記念撮影なんだろ、と、思った。
けっこうな人数の移動なので、全員が並んで写真を撮るまでにはけっこうな時間がかかって。そして撮影をする方も何度も何度も声をかけながら何枚も撮ってた。その間、カメラをかかげて写真を撮りまくっている方はたくさんいました、わたしもその一人なんだけれど。その光景は成人式というよりは、小学校の運動会のようだった。彼らの成長の姿は、いつまでもいつまでも親に「小学校の徒競走の興奮」をもたらしてくれるものなのかもしれない、と思った。
第二部は場所を移して「祝賀会」。乾杯の時に「ちぃちゃんは?」「あ、お茶でいいよ」とか言ってたら、大きな声で「びーる!」と主張。「え?ビール?」「いいよいいよ、んじゃ3センチくらい注いどいて。アレだよアレ『大人といえばビールでしょう』が入っちゃってるんでしょ、気分気分」とか言ってまして。で、ふと気づいてみたら手酌でぐぐーっと注いで飲んでたよ、この人。一杯半くらい飲んでからか、「お茶」と言って交換してました。まあコップ一杯程度ってことなんだけれど、顔色ひとつ変えず、様子ひとつ変わらず。で、特に飲みたいわけでもなく、そんな程度くらいは「たしなみたかった」ようです。へー。
乾杯の後はK&K(けい太とこう太)さんによるアトラクション。新成人たちはステージ前に次々と集まって、音楽に合わせて体を揺らしたり、配られる楽器でいっしょに楽しんだりしてました。
楽しかった、うれしかった、ありがたかった。そう、ありがたかったです、この成人式があること、名前を呼んでもらえたこと、たくさんの人たちにお祝いされたこと。ひとりでは育てられなかった子だし、ひとりでは生きられない子だけれど。たくさんの人の手と祝福で生きていることを感じる機会でもありました。ちぃちゃんちぃちゃん、成人おめでとう。