リツエアクベバ

satomies’s diary

祝!成人/その2

成人のお祝いを盛大にやってくれる作業所は多いとは聞いていたのですが。娘が通うNPO法人でも行事として「成人を祝う会」がありました。同じNPO法人の2つの施設で今年度の成人は4名。お祝いは合同で行われました。成人の日の二日後の水曜日、この日は午前中は作業、昼食が「お祝いの祝宴」となり、その後は「成人を祝う会」です。
この日、新成人は「ちょっといい格好で参加を」との連絡がありました。晴れ着を着せていいかあらかじめ了解をもらい、当日の後半では着替えさせていただきたい旨お伝えし、付き添っていいかどうかお聞きしました。「あくまでも利用者さんたちの行事なので、『星飛雄馬の姉のように』参加を」と言われて、わかりました!と了解し、わたしもこそっと参加させていただきました。
午前中の作業は「祝う会を行うための作業」。祝宴のお料理を作る班、会場の飾り付けを担う班と、手分けして作業に取り組んでいました。お赤飯を炊く匂い、煮物のお出汁の香りと、施設のドアをあけるとすぐにお祝いの香りが漂っていました。会場では今日の主役を引き立たせる準備が着々と行われていました。手作りの金屏風には感動しました。また、作業のさなか、手製の色紙が利用者さんに次々と回されて、寄せ書きが作成されていきました。
主役の4名が別室に待機し、会場の準備が終わったところで新成人が入場、金屏風前に着席しました。さて乾杯、というところで「大人といえばビールでしょう」の言葉と共に運ばれてきたのがノンアルコールビール。新成人がコップに注がれて「乾杯」となりました。この時の「大人といえばビールでしょう」の一言が娘に大きく入ったのが後でわかることになる、インパクトの強い場面でした。娘の場合。やっぱり家庭より社会から得る影響は強いなあと思う部分でもあるところがまた露見、という感じです。

みんなで調理した祝宴のメニューは、炒り鶏、紅白かまぼこ、お赤飯、お吸い物、角煮でした。昼食が終わってお昼休憩、その後で新成人に花束贈呈があり全員で記念撮影がありました。男の子のスーツより振袖は目を引くので「演歌歌手の後援会の記念撮影」とか言われて笑ってしまいました。花束をもつ振袖は確かに演歌っぽい…。
記念撮影が終わってから、和室でお着替え。着物を脱がせて花柄のワンピースを着せると、娘は会場に走っていきました。「かわいい〜」という歓声が聞こえ、ご満悦の顔をしてるんだろうなと思いながら母は着物をお片づけ。会場では利用者さん一人一人からのお祝いの言葉が贈られていました。ここでの成人を祝う会とは、新成人を祝うだけではなく、「後輩の成人を祝う」ことで利用者さん一人一人が大人の自覚を感じ取っていく機会として位置づけられているそうです。途中から「星飛雄馬姉参加」してそれがとてもよくわかるように思いました。お祝いの言葉をたくさんお話しされる方、自分の名前だけを言う方、言葉短にマイクを戻される方、いろいろでしたが、それを見ていて「来年はコチラ側に」と思ったし、娘も誇りをもってそう思っていたのではないかと思いました。
お祝いの言葉と共に、今年の企画はOHPを使った「二十歳の時の写真披露」。いろいろな写真があって、とても楽しかったです。「二十歳の時の写真披露」は利用者さんだけではなく職員の方、ボランティアさんも参加。わあとかへえとか、とても楽しかったです。
全員のお祝いの後、お茶の時間に。お茶うけには「お祝いなんだから尾頭付きで」。なんつーか、企画の細部にスキが無いよね。
最後に記念品贈呈。男の子にはお財布、女の子には化粧ポーチとハンカチ。そして午前中に作成された色紙。色紙の中央には先程撮影されたみんなで撮った記念写真が貼られていました。そして新成人一人一人が今度はお礼のご挨拶。マイクが渡された瞬間、娘は間髪入れずに「ありがとー!!」と叫びました。言うべき言葉はこれでしょうというようなはっきりきっぱりとした挨拶でした。
企画全てがすばらしかった。楽しかった。そして「利用者さんの成長の機会である行事」でした。いいところにお世話になった。と、改めて思った一日でした。