息子のバドミントン部の区大会個人戦の試合を見に行く。
スポーツは得意じゃない方で。同様にスポーツたいして得意じゃない友達四人とぞろぞろと入部したのだけれど。一年間真面目に地道にやってたらしっかり体ができてきてびっくり。おお、オマエの腹筋割れてんじゃんとか、階段上るとシシャモが出るねえとかなんとか。ラケット振るのもそれなりにさまになってきて、スマッシュなんて決めちゃう姿にはびっくり。
いやー、チーム競技じゃなくて個人プレイの部活にしてよかったねえと。チーム競技ならレギュラーはずれればそれまでだけど、個人競技の部活だったら、真面目にやってれば二年になればこうやって試合にも出られる。中一の時に作った上下で一万円のユニフォームがやっと日の目を見るぞ、と。
ってなことで。「15日、試合だよ」と。「おお、んじゃ、ちぃちゃん連れて見に行ってもいい?」「いいよー」と。
同じ学年男子が20人もいて、その中で一年の時から公式戦に出てた子もいたのだけれど。やっとコイツらも公式戦か、と、周囲に「見に行く?」聞いてみると、みんな「行かない」と言う。「来るなって言われたよ」って。「あら、そうなんだー。ウチは当然来るだろ?モードなんで、ちぃちゃん連れて行ってくるよ」と。
トーナメント戦で。まあ初戦敗退だろうと思うので、朝もはよからとことこ出かける。会場校は最寄り駅から徒歩15分だとかなんだとか。駅近くのコインパーキングに車を停めて、とことこ歩く。(おい、徒歩15分ってもっとあるじゃねーかこの距離は)と、ちょびっと途方にくれたとこで会場校にたどりつく。
校門入って、そこにいた中学生に「体育館に行きたいの」と言うと、「いっしょに行きましょう」と案内してくれる。とことこ。体育館の扉を開くともわっと暑い。息子の学年の男の子がすぐに走ってきてくれて、息子の試合の順番やらを試合表を見せながら教えてくれる。
体育館ではコート三面。シングルスとダブルスとでスパンスパンと鳴り響く音。4つの中学での試合なんだけれど、うち一校は関東大会常連校だとかで、初戦でそこと当たるかどうかってのが運命の分かれ道ってヤツだった。対戦校の名前を見て、まずは一安心。公式戦初体験でボロ負けじゃかわいそうだしね。
「保護者席はあそこだよ」と教えられてとことこ。保護者席には同じ学校の同じ学年の保護者が3人来てた。(おお来てんじゃん)と思ってたら携帯が鳴る。「来るなって言われたけど、結局来ちゃった。今着いた」と息子の友達のかーちゃんから。合流していっしょに見る。
保護者席はちょうど三面のコートが全部見られる場所で、娘は興味深そうに試合を眺める。そうだよね、こういうシーンと縁が無くなるのもこの子の置かれた世界。落ち着いて見てられるから連れて来られるんだけれど、視線の集中度なんてのを見ると、(ああ連れてきて良かったんだな)とか思う。
まあ、息子が「障害児のきょうだいを見られるのがイヤな子」だったら連れては来られないんだけれどね。息子はとんと頓着無いので非常に助かる。つ〜か、ホント、周囲も全然気にしてないのよね。これは横浜の小中学校での障害児学級の設置率も関係あるんだろうな、とも思う。資料を確認してみれば、19年度で市内の障害児学級(個別支援学級)の設置率は小学校で99.7%、中学校で94.5%。つまりこういう子を日常の中で全く見たことがない子が少ないという現状もあるんだろう。
第四試合で息子登場、仲のいい子とダブルス戦。保護者席からコート近くに移動して間近で見る。スマッシュきれいに決めたときにブイってやったら遠目から目線でうなづいて見せる。はは、大きくなったモンだと思う。スカッと決めた後に凡ミスを出す。あと一点でこのセット取れますぜ、でもこのタイミングはまた凡ミス出すかも、って時に、部長やってる男の子が息子に一声「このセット、取るぞ!」と。言った途端に一セット先取。こういうパワーをぽんと渡せるのは、さすが部長になる子だなあと思う。この子も幼児から知ってる子なので、オバチャンにこにこ。
結局二セット目で崩れだし、三セット目は頑張ったけど、僅差で敗退。くやしそうな顔しながらも、健闘健闘。ルールも勝敗もよくわかってないだろう娘が、試合が終わった後「すごおい!」と言う。ああ、アンタの弟はよくがんばりました。今日は出勤だった夫にも「がんばってたんだよ」って報告しなきゃね。