リツエアクベバ

satomies’s diary

母に話す

子どもたちを連れて実家に行く。まあごく普通に実家に行ったときのようになんだかんだともろもろ。
それから母に「新聞の読者の投稿欄を読んでいるか」と聞く。それがどうしたと返ってくるので、アレは読んだか?と聞く。

朝日新聞投書面に「ストリートビュー」に反対する声が立て続けに掲載される /悠 々 日 記

読んだ読んだと答えるので「ウチは写ってるよ、しっかりとね」と伝える。
「え?」と驚く。よく聞くと、あの投稿自体、何がどういうことか理解できていなかった。つまり、ついていけてない。それとウチの前まで撮影の車が入り込んだこと自体驚いてた。
母は75才、ばりばりの高齢者。そして道、すげー細いもん。新しい住宅が建っていくときに道幅は広げられたけど。でもところどころで元々の道幅の位置に電信柱が飛び出している。
  
「つまりね、地図に写真を付けたサービスで、都内の道にそういう写真を付けた情報提供サービスが開始されたということだ」と説明する。ウチは角地なので三方向から写っているねと。
写真は持っていかなかった。わたしだって混乱しているサービス、年寄りに一度で理解させるのはキツいだろうと思った。特に最初に画像を見せてだと不安感をあおるだろうなとも。
「あのね、お花がたくさん咲いていてきれいな家で写ってたよ。写されて困るものは何も写っていない」。
「ただ、この情報としての写真にはズーム機能があるんだよ。ボタンひとつで写真を大きくすることができる。サッシのとこに向かって拡大はできるけれど、そこにも写って困るものは何も写っていない」。
「あの新聞の投稿では、『空き巣に利用される』って書いてあったけど。でもウチは空き巣に入られて困るものは全て貸金庫だしね」。
ストリートビューで写っても特に困らない構造。門扉から玄関まで2メートルばかり距離があり、そして洗濯物を干すベランダも公道からは奥まっていて、そしてベランダがかなり広いので洗濯物が表から相当見えにくい。これはつまり「空き巣に好都合」な条件であるわけで、実際に空き巣被害がある。空き巣被害の後、銀行の貸金庫を利用するようにし、現金を必要以上に家に置かない習慣がある)。
簡単な説明をふむふむと聞いた母、それから最初の母の発言に思わず笑ってしまった。
「で、メリットは何なの?」
だよねえ、そうなるよねえ、そう思うよねえ。
「わたしもずいぶん考えたんだよ。画像を削除してくださいって申告はできるようになってるんだけど、まあ一度『削除してください』って言ってから『やっぱり載せといて』ってのはできるかどうかわからないし。」
「あのね、今開始されたサービスは、『このデータを情報提供します』ってことだけで、それをどう利用するかってのは利用者側が考えたり作り出したり、ってことになってるんだよ。普通の人が道を『歩いてみて』おもしろがること以外には、誰がどう使っていくかってことになっていくんだと思う。
ストリートビューって名前が付いてるんだけど。現在のその『ビュー』の状態を見る限り、まあぶっちゃけ『お財布地図』みたいなものかな、とも思う。『ストリート』ってより住宅地のやたら細かいとこまで熱心に網羅してるように見えるからね。だからその情報サービスから『地図から見えるお財布』や、そこから生まれる『企業単位のお財布』に対して、誰がどんなビジネスを考えていくかってとこにつながっていくんだろうと思うよ。ビジネスってのは情報から生まれていくからね。
そこで人が真っ先に考えるのが、『お財布地図の直接的なお財布狙い犯罪情報』ってことなんだけど。この次にどういう風にどんなサービスにつながっていくかはまだわからないわけだよね。その次にどうつながっていくかってサービス自体がメリットになっていくかどうかまだわからん、ってことだと思う」。
「まあゆっくり様子を見ましょう。こんなとこまで入ってきて、ここはこういう道だってわざわざ人に教えてくれることが、今後どんなメリットにつながっていくのかどうかもまだはっきりわからないし。これからの技術を使っていくお若い方たちの頭がまた、どんなことを考え出すかも今はわからないしね」。
「とりあえず『ストリートビュー』ってこのサービスの名前はしっかり覚えておいてちょうだい」。
これで今回の「説明」は終了。