91歳母が、文藝春秋がおもしろいと言う。父もよく読んでいた。火葬の時に何冊か入れた。
時事関連が多い、かための月刊誌だなという認識。このあたりがっつり読む母の「頭」は、まだまだいけるとは思うのだが。
最近、記憶があやしい。
今日、母から宅配便がきたのだが。細々としたものと、きれいなポーチが入っていた。
うわ、あの、えーっと。これは先月わたしが実家に置いてきたものだ、正確には「預けて」きた。11月に姉が来た時に渡すために。コスメ的なものがしゃれたポーチに入っている、いわゆるこじゃれたギフト品だ。
それを、中を抜いて、別のものを入れて、わたしに送ってきた。
「これはどうした?」と電話で聞くと、「わからない、誰かがくれた」と言う。「中に入っていたものはどうした?」と聞くと、「そういえばなんか入ってたっけ」と言う。
さっぱり覚えていなかった。
以前姉が来た時に、「これを渡して」と、母にオーストラリアのお菓子を預けた。
実家に行った時に「ねえさんが預けたものは?」と聞くと、「わからない。そこにあったものなら友達と食べた」と言う。姉が預けた話は全く記憶に無かった。
会話をしていて、特に認知機能も落ちていないし、記憶がはなはだしくどうのということもない。ただ、記憶力が落ちているのは確かだ。
母に話す。「自分が主役ではない案件に関して、ほぼ半月で記憶が吹っ飛んでいる」。
90を過ぎて、体力が落ちて、聴力の低下も進んだ。そんなことのひとつかもしれん。
何が不得意になっているのかというところで「自分が主役ではない案件」という認識を入れよう。わたしもこの手の案件の扱いに気をつける。
わたしと母の「老い探検ツアー」が、またひとつ世界を増やす。