舅のCDの整理が終わった。形見分けとしてお譲りするものや、わたしが欲しいものなど。
クラシックを中心に、スタンダードな曲のアレンジもの。クラシックを使った映画やドラマのサントラ盤も多かった。クライズラー&カンパニーや女子十二楽坊、リチャードクレイダーマンなど、その時期の流行など感じたり。
バイオリンが好きだったので、古澤巌、葉加瀬太郎はけっこうな枚数があった。高嶋ちさ子は無かった。
意外だったのが、伊藤ゆかり。なんじゃ?これは。と思った。
聴いてみたら、すごくよかった。変な歌謡曲のひと、っていう元々のイメージじゃなかった。大人の美しい声のひとが、ジャズっぽいアレンジの曲を歌っていて。
このアルバムの収録曲はEPOや大貫妙子,来生姉弟のものだった。へーと思った。
こんな CD出していたのかと、Spotifyで伊藤ゆかりを出してみたら。やっぱり変な歌謡曲のおばさんで。なあんだと思った。
つまりこのCDの伊藤ゆかりはSpotifyでは聴けない。お義父さん、わたしがこのCDはいただきます。
つくづく、生きている時に話を聞きたかった。舅は誰もいない時に、よく話をした。姑や義妹がそばにくると、ぴたっと話すのをやめて無口な老人になる。なぜかはわたしはよく知らない。
結婚したばかりのころは、わたしを舅のオーディオルームに誘い入れてよく舅が好きな音楽を聴かせてくれた。それでわたしは少しだけ、舅が好きな傾向はわかる。
子どもが生まれると、姑がいつも近くにいたものだから、舅は無口な老人になった。
今、CDを聴きながら、わたしは舅と話す。父が焼き餅を焼きそうなので、今度実家に行ったら父のCDを漁ろうと思う。