駅近に、化粧品や雑貨の安い店がある。アウトレット価格の化粧品を見ていた。棚の前にしゃがみ込んで、低い位置に陳列されたファンデーションを見ていた。ふむふむ。
「すみません」と声をかけられた。はい、と答えた。
「このマスクなんだけど」と、わたしよりいくつかくらい年上の女の人が話し始めた。わたしは別に、店員と間違えられるような服は着ていない。要は、単純に相談相手に引っ張られた。
彼女の相談
- Lサイズのマスクの箱を3つ抱えていた
- ダイヤモンド型2個と、立体型一個
「体の大きなひとなんだけど」
「Lサイズのマスクがなかなか売ってなくて」
「こっちとこっち、どっちがいいのかしら」
「耳が痛くないのはどっちかと思って」
わたしの回答
- マスクの形に関しては、好み
- どちらも、プリーツ型より呼吸がラクということになってる
- ダイヤモンド型は「岸田総理」がよくしてるやつ
- ダイヤモンド型は、つける時にコツがいる
- ぶっちゃけ、両方買って、本人に試してもらうのがよい
- 「耳が痛くない」は、箱にそう書いてあるのを信じるしかない
- 「耳が痛くない」と書いてあっても、痛いやつもある
展開
マスク必須時代ももう長い。なんで今さらこんな会話になるのかと、ちょっと思う。
ところで、なんか楽しい展開になった。
「マスクがクリスマスプレゼントって、ダメかしら」
きゃ!って思った。きゃ、じゃない、きゅんだ。思わず乗り出した。
「じゃあ、詰め合わせにすればよくないですか?形もいろいろにして。で、なんか高いやつとか混ぜたりして。いろいろ揃えてみたの、って、『プレゼント』ですよ!
何やってんでしょうね、このおばはんたち。知らん人なんだけど。まー、やってることは、婆さんだな。