リツエアクベバ

satomies’s diary

補う力

母が、高齢で聞こえが悪くなった。時々簡易の集音器を使うが、本人に補聴器を使う気は無い。しかし電話でも話せるし、特に不便はない。

ただ、話していてわかるのは。聴力が落ちている分、文脈理解に頼っているところがあること。例えば食べ物や料理の話をしている中で「ネギ」というと、ちゃんと「ネギ」と聞き取れて、会話に不便は無い。

しかし、文脈理解に力を借りているために。突然の話題転換には弱い。例えば電車の話をしているところで、「そういえば、ネギがさ」みたいなパターンになると、「ネギ」が全くわからない。

「キリ?」とか「やぎ?」とか返ってくると、その聞こえなさがよくわかる。そして文脈理解というのは、非常に重要なものだと思う。

こうしたときは、突然飛んでしまったものをなんとかするために、「ネギ」が出てくるための環境をつくる。
「ネギ」「野菜」「薬味」「ほそ長い」とか続けて言っていると、「ああ、ネギか」とたいがいちゃんと母は言葉を見つけ出す。そしてまたそこで始まった文脈で、落ちた聴力は補われていく。