リツエアクベバ

satomies’s diary

息子帰省

市内の隣の区に住む息子が「12日に帰省する」と LINEをしてきたのでウケる。「帰省」とか「実家」とかいう言葉を使いたいらしい。この微妙なニュアンスのダサさが、この子のこの子たるところのような気がする。どこにいっても、どんな集団に入っても、なんだかすぐいじられる。

家を出てからずいぶんと痩せた。やつれたというよりは、元に戻った感じがする。元々痩せ型で、中高の部活の日々でしっかりとつけた筋肉がその後運動習慣も無いのに落ちず。細マッチョみたいな体型を、なんの苦労もなく維持し続けた。高校卒業の時に作ったスーツは、成人式でも大学の卒業式でもすんなり着られた。本人も周囲も、そんな体型でい続けるのかと思ったら。就職して飲んでばかりいたら、少しずつサイズが変わり。コロナ禍からの完全テレワークでどんどん太った。

2020年の3月くらいから日本は大騒ぎになったが。その4月には完全テレワークが始まっていた。その年の9月に舅が亡くなった時は、高校卒業時に作った礼服のズボンがパンパンだった。礼服はウエスト調整ができるようになっていることで、なんとか助けられたが。これはいずれ作り直しだろうと思った。
2021年の6月には、テレワーク前に着ていたスーツが全てサイズアウトで。急に呼ばれても着て行く服が無いぞと、慌ててユニクロで安価なセットアップを買うことにした。

家を出たのが2021年の6月の末。そこから一年。少しずつ少しずつ、元の細マッチョに戻った。「ちゃんと食べてるんだけどね」と言う。食はかなりしっかりする方なので、そうなんだろうと思う。コンビニ弁当を嫌い、注文して作ってもらう弁当屋に行く。クックパッドを活用していて、よく自炊の写真を撮る。栄養素をちゃんと考えるとか、家にいたときからうるさかった。だからやつれたというよりは、この子の元々に戻ったような気がする。

テレワークのあたりから太ったのだが。その後、テレワークと出勤と両方あるらしい。エレベーターの無いマンションの4階なので、買い物自体も運動になっているのかもしれない。そのくらいで脂肪を落とせるのは羨ましい限りだと思う。

数日前に健康診断に行ったと。その結果はまだ出ていないのだが、簡単な数値の結果を見せてもらったのを写真に撮っていて見せてくれた。177センチ59キロ。体脂肪率が一桁。筋肉量もあり、基礎代謝が「燃えやすい」の最高値になっていて笑う。健診先で「アスリートの体型」と言われたそうだ。特に運動もしていないのだが、そういう体質なんだろう。

10月に友だちの結婚式があると聞いていて。よかったね、もう礼服がきつくないねと言ってから。いや、ちがう、今ならあれが着られる。あれを着ようよ、ちょっと着てごらん。

「これはもう二度と着られないよな」と言いつつ、クローゼットに仕舞い込んだスーツを取り出す。18歳の時に作ったもの。細かいストライプの入った、要するにハレのスーツ。高校卒業時に作って、大学の入学式、成人式、卒業式と着たもの。笑っちゃうほど、すっきりと入った。

ひと昔もふた昔も前は、結婚式といえば礼服に白ネクタイだったが。今時は礼服もいるが、ハレのスーツもいる。白いネクタイもいるが、ピンクだの紫だののネクタイもする。一昨年先輩の結婚式に行った時に、ネクタイを買いに行くのについていって「今どき」にへー、と思った。

10月の結婚式は、高校の部活の友達でわたしもよく知っている。そつのないイケメンで、コミュ力もあるし、機転もきき、遊び上手でそしてモテる。「どこで知り合った子と結婚するの?」と聞いたら、マッチングアプリだと言う。あの子がマッチングアプリを使って結婚相手を見つけるというのは、なんかもう、時代はそういうことなんだなと妙に説得力がある話でもあった。ふうん、ふむふむ。