リツエアクベバ

satomies’s diary

母が

90歳のラインをスキップで超えそうだった母が。来月89歳になる母が。ここのところ不安に襲われているのがよくわかる。

ここのところ、何度かiPadのトラブルがあった。これは仕方がない、と思うトラブルではあったと思う。姉のアドバイスもかなりトンチンカンだった。ただ、「自分ひとりの力で使える機器ではないのだ」と思ったと言う。悪いが当たり前だ。40代でも無理な人はたくさんいる。これまでだって上出来だった。

トイレの洗浄便座が壊れたと。水道屋に連絡したら、それは水道屋じゃないと言われたと。パナソニックに電話をしたら、丁寧に案内してくれて、修理の人間が来ることになったと。ここまで88歳が一人でやれば上出来だと思う。ただ。結果は壁に取り付けたリモコンの電池の入れ間違いだった。プラスとマイナスの。

今度は、ゆうパックの不在配達の再配達の手配ができなかった。電話をかけてきて、まず言っていることがわからない。ゆうパックが来て電話をかけて、番号を入れたけれどちがうと言われたと言い張る。今日の5時までになんとかしないとと悲鳴をあげる。
落ち着けと。保管は1週間くらいあるはずだ、と。あと、不在票の写真を撮ってメールて送れと。これができなかった。今まで出来ていたのに。結局、できたから上出来なんだけれど。

不在票を持って、近くの郵便局に行けと言った。近くの郵便局に電話するというから、いや、相手が状況を把握するのに不在票を見たほうが早いからそうしてくれと。

郵便局で、簡単に再配達の手続きをしてくれたと。ただ、なんだか力が抜けて、用事が済んでも郵便局のソファに座っていたと。

ああ、不安なんだね、と母に言う。ひとつずつ、失っていく力はあると思う。でもね、力を失ったら補う方法に賢くなればいい。不在票は見せればいいし、不安な時はわたしを使えばいい。
人生は有限だ。慌てふためいても衰える。道を進むのに、悲しみながら進まなくてもいい。

様々なポジティブを手渡しながら、時は進むのだなと思った。コロナだろうがなんだろうが、都内に向かって通勤するひとはする。母のところに行く頻度を増やす必要が出てきたのかもなと思う。

パート辞めてよかった。コロナ発症で、職場復帰のタイミングが見えず退職を申し出たが。かなり熱心に引き留められ、いつまでも待つからと言われた。そのことで、辞めたい時があっても辞められないのだろうと思った。身体を壊したという大義名分がある時に辞めないと、きっと辞められない。そう思って辞めたのは、近い将来母のために時間を使う日が来るだろうと思ってのことだった。

とりあえず。急にばたばたと通うと、また不安がるような気もするので。「来週の木曜日に行くよ」と言う。「頼みたいことをためておいてくれ」。
来週の木曜日は4月14日、父の命日。去年、わたしが生に向かって持ち直した日。