リツエアクベバ

satomies’s diary

保健所に行く

息子の一人暮らしの物件が決まり、今度の週末に契約することになった。住民票が必要だというので、取りに行く。そのついでに、保健所に行く。
退院して用事があって保健所に電話をしたときに、わたしと再び話せたことをとても喜んでくれた保健師さんがいた。わたしもその「声」と「話しかけから見える人柄」を覚えていた。苦しかった自宅療養中に「よりそうモード」でいてくれた唯一のひとだった。わたしは、「落ち着いたら会いに行く」と約束した。

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受付で当の保健師さんの名前を言って、お会いしたいと告げる。取り次いだ人にわたしの苗字を聞き、ちょっと首を傾げてから急に「ああ!」と言った。わたしのもつエピソードとわたしが「会いに行くから」と言ったことを、ほんの数秒で思い出してくれた。

アクリル板ごしにあれやこれや話す。一番ひどかった日のレントゲン写真をスキャンしてスマホに入れたものを、見せる。「ひどい!真っ白じゃない!」と声をあげて驚かれる。

四週間後の再診に行ったこと、そこで医師に言われたことなど話す。「入院があと数日遅れていたら」。医師が「危なかった」と言ったと言おうとする前に、速攻で保健師さんが言った「危なかったでしょうね」。

保健師さんが言う、「自宅療養者の顔を見ることなく体温や酸素濃度の数値のやりとりだけでは、現実的ではなく無理がある」。

わたしが話す。「わたしは。入院したいとか、そんな具体的な要望とかじゃなかった。とにかく苦しい、ずっと苦しい、なにか変だ。家で数日いればいいということと、何かがちがう。わたしに何が起きているのか、それが知りたかった」。
「電話相談の番号を渡されていた。日中対応の番号と24時間対応の番号があった。苦しければ連絡を、とあるから電話を何回もした。でも、ちゃんと向き合って相手にしてもらうのに時間がかかった」。
「50代、女性、基礎疾患無し。相手の意識から最初から『重くなるはずはない』の足切りがあったのかとも思う」。

自宅療養者からの相談や指導は「神奈川療養サポート」が行い、居住区の保健所は該当区の感染者の情報を管理する。この管理側からは療養サポートの「具体的会話」などの実態は見えにくくなっているのだなあというのが、話していてわかる。お役所仕事がもどかしい。

たぶんウマが合う的なところはあるのだと思う。話のキャッチボールはリズムよく動く。でも、どこか背中を押されてる感じでわたしは何か急かされる。
今日も、誰かが、感染しているかもしれない。この人を必要としている「仕事」があり。わたしはその時間に「お邪魔している」。

では、と切り上げて。「またね」と挨拶してしまう。「またね」と言って、両手を振る。

保健師さんは。「またね」と言って、わたしと同じように両手を振った。またお手紙、書くかな。