リツエアクベバ

satomies’s diary

フード

娘が通所している日中、実家の母のところに行く。

電車の中で。座ってたんですよ、シートの端っこ。ふと気づくと、なんかでかいクッションでぎゅーぎゅー顔を押されてる感触。なに?

シートの端のパイプに、人がよりかかってました。思い切り体重かけて。
で、その人の上着のフードが。モコモコででかい。
そのフードが、思いっきり、わたしの横顔にぎゅーぎゅーと押し当てられるわけです。

当のご本人、全然気づいてない。背中だし。がんがんによりかかってるし。

フードをくぐるように前のめりになったり。よけて左に顔を傾けてみたり。おれ、なんかもう、七転八倒

車内は混んではいない。とりあえず席は埋まってるけれど、シートとシートの間に立ってる人はあまりいない。
つまり「状況の見通しはいい」。
みんな知らん顔してるけどさ。わたしが前のめりになったり、あっち向いたりこっち向いたり。みんな、その状況、わかってるでしょ。と思う。特にわたしの左隣の人とか、正面の人とか。

ねー。とフードの人に言おうとそーっとどんな人か見るんだけど。わからねー。後ろ姿だけだし。

モコモコのフードの紺のトップス。手にリュック。下は黒いジャージ。
黒いジャージだよ?電車の中で。ヤンキーかおっさんかにいちゃんかもわからない状況。どうする?

もーいーや。言っちゃう。と思って背中に「すみません」と言った。
全然反応しないので、2回目はでかいクッションになってるフードをノックしながら「すみません」と言った。
それでもびくともしないので、手を伸ばして肩の方をとんとんしながら「すみません」と言った。

振り返ったら男の子だった、20代前半くらい。声も出さずになんですか?みたいな怪訝な顔をしたけれど、怖い人じゃなかった。耳に骨伝導イヤホンがはまってた。あんまりちゃんと声が聞こえてないみたいだったので、用件だけ簡単に伝えた。

「フード」「フードが顔にあたる」

ああ、と言って、少し前に出て。寄りかかるのをやめなかったけれど、パイプにめり込んでくるくらいの寄りかかりをやめた。そこにフードがありますね、くらいの状況になった。

解決したのでよかったけれど。すみませんでしたとか言ってもよくね?あの子。変なおばはんだと思ったのかもしれないね。でもすごく不快だったわ、あのでかいフードのぐいぐいくる感じ。でかいわ、でかかったわ、あれ。