リツエアクベバ

satomies’s diary

訪問

娘の事業所の在宅支援。作業の持ち込み、毎日の電話、週一の訪問、が内容。今日は訪問日。

朝、電話があり。担当の職員が今日現場を離れられず、代わりに所長が来るとのこと。了解、了解。在宅になってから会えてない人に会うのは娘が喜ぶと答える。

そのまま、職員さんと少し話す。娘の作業に対する娘とのコミュニケーションの話。

在宅でやっている織りの作業について。かたんことんと織り機を操作し、一定のところで経糸部を調整する作業がある。これがわたしがわからず、事業所に電話して聞くと「ご本人がわかるはず」とのこと。わたしがよくわからないでいると、「では、『まいて』と声かけしてください」とのことで。は?と思って「まいて」と言うとぱぱっとものの見事に織り機を扱って問題なし。なんだかとてもびっくりした。

それからわたしは、「まいて」と声かけしなきゃならんのかと。娘の作業をちょこちょこちょこちょこ見たりした。ここか、このタイミングか、「まいて」。その繰り返しの中、娘は娘のタイミングでまいたりしたり、わたしが声かけしたり。どうもこのタイミングがギクシャクする。

ああそうかと、これはアレだ。大人になっていってる娘と、ちょっとアンタほらアレでしょとか口を出し続ける母親みたいなアンバランスだ。

作業所ではないところで、職員さんがいないところで、最初に自分から動かなかっただけだ。おかあさん、うるさい、アタシわかってるから。

などということなんだな、と、理解したんだよ。だから、本人職人というリスペクトをわたしが守っていて、それでうまくいくようになった。という話を職員さんにする。その女性の職員さんに「知的な障害がどうとかじゃなくて、ほらアレだよ、アレですよ。これはわたしもあなたも通ってきた道ですよね。娘と母親が通るとこだ」

ああわかります。すごくよくわかりましたと職員さんが言う。ああ、同性支援の大切さとは、こういうところにもあるのかもしれない。息子と母とは少し違うところかもしれない。

なんて話を午前中にして。午後はおっさんが来る。本人とのコミュニケーション、作業についての受け渡しや連絡など。やりとりしながらわたしは所長に真剣にたずねる。

「あのね、質問があるんです」
「お願いだから、正直に答えてくださいね」

所長が緊張の面持ちでわたしをまっすぐ見つめて、誠実な顔でうなづく。

「コーヒーは、あたたかいのと冷たいのとどっちがいい?」

ご要望通り、あたたかいコーヒーをお出ししてそのままいろいろ対話。所長の好みはブラック。そこそこその辺はよく知っている間柄。