リツエアクベバ

satomies’s diary

DVD

昨日、娘の事業所の職員さんがDVDを持ってきた。作業所の活動の中で、ダンスの時間がある。そのダンスの動画だということだった。

今日、再生した。娘と見ていてなんだか泣けてきそうで困った。20代から40代の職員さんが数人、曲に合わせて踊ってた。にいさんとおっさんばかりで、ねぇちゃんはたった一人。踊りながらカメラに向かって笑顔を向ける。踊る人間も、カメラにアップになる笑顔も、みんな顔半分はマスクだ。

職員さんたちが、カメラの向こうのメンバーたちにたくさんの気持ちを届けているのがすごくよくわかった。素人丸出しのカメラワークも、拙い編集も、頑張って作った感じがとてもよくわかる。

知的障害があるメンバー。ちょこちょこダンスの内容を変えるわけじゃない。何年も何年も同じダンスをベースに少し加えたりしてきたものか。その、よく知っているひとつひとつのダンスに、この事業所が積み重ねてきた日々が見えてくる。行事やイベントで、メンバーたちがこのダンスをゆるゆると、でも楽しそうに踊っていた様が、飛び回る職員さんたちの向こうに見えてくる。

ああ。そこには日常があったんだ。その日常が壊れてしまったんだ。壊れて、しまったんだ。と、思う。笑顔で飛び回る職員さんたちが、壊れてしまったところから「変わらない」「いつかまた戻れるんだ」と飛び回っているように見えた。

いつ、また前と同じ日々が戻るのか。それはわからない。でも娘は飛び回る職員さんたちを見ながら踊る。届けようとしたものは、ちゃんと届いたね。